ゲーマー日日新聞

ゲーマー日日新聞の論説委員。ゲームの批評、分析、攻略、考察、エッセー何でも | note(https://note.mu/j1n1 ) | ak47ava(at)gmail.com

ゲームデザイン

『DDLC』真考察 空想と現実を越えて僕たちはMonikaに会いに行く【ドキドキ文芸部/Doki Doki Literature Club !】

私は本紙において、Steamで配信中のADV『Doki Doki Literature Club !』の考察や批評を4本寄稿した。 そして前回で、さすがに頃合いだと思った。かなり練った記事も書けたし、『DDLC』も遊び尽くしただろうと。だがそんな事はなかった。まだ語り足りていない…

エリクサーは使うものじゃない、使わせるものなんだよ

「エリクサー」とは日本のRPG『ファイナルファンタジー』シリーズに登場する、「HPとMPを全回復する」アイテム。強力故に貴重なアイテムであり、プレイヤーがもったいながってこのアイテムを使えない現象を、「エリクサー症候群」と言う。 エリクサーを使う…

ダークソウルで積みかけたら、逃げろ

フロムソフトウェアの看板タイトルにして、国内外からの評価も高い『ダークソウル』(及び『デモンズソウル』『ブラッドボーン』)。ダークな世界を舞台としたARPGで、何より難しいゲームとして有名だ。 これらのゲームをある程度プレイしていると、ある戦略…

BitSummit Vol.6でアツいゲーム人間9人に物凄くタメになる話を聞かせて貰ったから聞いてくれ

5月12日から13日まで、京都みやこめっせで国内外のインディーズゲームが集うBitSummitが開催された。 筆者はほぼ毎年参加しているが、今年はメディアとして登録できたので、今回は本格的にレポートを紹介しようと思う。 また、インタビューという形ですが、…

『DDLC』考察 ある一人の女の子にオタクがガチで泣かされた話をしたい。【Doki Doki Literature Club!】

本稿には『Doki Doki Literature Club!』、『Bioshock』、一番最後の章に『君と彼女と彼女の恋。』のネタバレがあります。ご留意ください。 え?『DDLC』やってない? いいからやれ Steamで好評配信中の無料アドベンチャーゲーム『Doki Doki Literature Club…

「LJL最悪の日」を乗り越えるために LJLの持続的な成長に問われる8つの目標

以前記事にも書きましたが、「LJL最悪の日」という記事を書いて反響を頂いて以来、ただ話題喚起で終わることなく、自分に出来ることは何か考えていました。 note.mu そこで、自分に出来ることは、1.他メディアにトピックを拡散してもらえるよう掛け合う、2.…

『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』を通じて再評価された「イマーシブ・シム」とは何物か

『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』。(以下『BotW』) 2017年に任天堂がSwitch用タイトルとして発売し、The Game Awards 2017、2017 Golden Joystick Awards、21st Annual D.I.C.E. Awards、所謂GOTY三冠を総なめという圧倒的な評価を叩き出した。 当然…

愛の尊さを世界のゲーマーに伝えた『Doki Doki Literature Club!』にゲーミング平和賞を贈りたい

『Doki Doki Literature Club』というビジュアルノベルがある。 4人の女の子と文芸部で過ごすという内容で、日本の恋愛ゲームに酷似している事からも、国内で注目されていた。私もこのゲームについて記事を書いた経験もある。 精神が弱った人にこそ『Doki Do…

宿命のゲームデザイン:プレイヤーを彼ら自身から守る

「私が思うに、ゲームデザイナーにとって最大の責任とは、プレイヤーを彼ら自身から守ってやることなのだ。」 -Sid Meier GDC 2010 ゲームデザイナーは常にどうすればプレイヤーがゲームを楽しめるか頭を巡らせている。 例えば、FiraxisのXCOMのデザイナーで…

Nintendo Laboは既存のゲーム市場へのカウンターとなるか

『Nintendo Labo』発表されましたね。 『Nintendo Labo』(ニンテンドーラボ)はニンテンドースイッチと組み合わせて遊ぶ段ボール工作キット。 ニンテンドースイッチの着脱式コントローラ Joy-Con が内蔵する各種のセンサを活用することで、段ボールで作った釣…

『Half-Life』世界最高傑作とうたわれたFPSの本質

現代では一生かけても遊びきれないゲームが数多のメディアで発売されている。その中で、10年、20年経っても語られる名作とは何だろうか。日本人なら『マリオ』『ゼルダ』『FF』等の名作が真っ先に挙げられるかもしれない。 一方、海の向こうでも”故郷”のよう…

モンスターハンターのフルフルの話

『モンスターハンター:ワールド』のオープンβ、凄い良かったですね。期待以上の出来になってて、ファンとして色々こみ上げてくるものがあります。 私は一応シリーズ網羅する程の『モンハン』ファンなんですけど、その中で一番思い入れがあるモンスターは何…

アンロック制度がFPSを腐らせたのか?

(2017/11/20)一部文章を更新・校正しました。 最近、残念な対戦型FPSが増えたと感じる。 私自身FPSは好きだ。一番長く遊んでるゲームジャンルだと思うし、相応の作品に相応の時間を費やしてきた。だからこそ、最近の作品に失望することが多い。 その最大の…

ゲームの「難しさ」って何だろう

「難しいゲーム」というのはいくつかあって。例えば『ダークソウル』は現代の「難しいゲーム」の象徴みたいなものだけど、ちゃんと考えれば誰でもクリアできるようになってる。 だけど、そうやって何度もトライすれば完全に楽しめるよ、というゲームは案外少…

ゲームの「オープンワールド化」が、逆にマップを狭めている問題

追記: 思ったより読んでくださる方が多かったので。 まず「オープンワールド」の定義について。これはレベルデザイン論やシステム論など諸説あるのだが、この記事における定義としては、純粋に「面積がバカ広いマップ全て」と考えて欲しい。 なので、当然ゲ…

「失うもの」があるゲームは良いという話

『XCOM2』の魅力を通して 最近『XCOM2』をプレイしている。 『XCOM』というのは古典的なターンベースのストラテジーゲームで、わかりやすく言うなら『インディペンデンス・デイ』風味の『ファイアーエムブレム』のようなゲームである。 既に地球は宇宙人によ…

「クトゥルー神話」×「ゲーム」×『Bloodborne』

『Bloodborne』のネタバレがあります。 人は皆、コズミックホラーとラヴクラフトが大好きである。 理不尽極まりない旧支配者、無様にもがき苦しむ人間、宇宙と地上を繋ぐ壮大なストーリー。クトゥルフ神話が嫌いな人なんていない、だろう? 現代日本のサブカ…

ゲームのストーリーは誰のものか?

ビデオゲームには千差万別の物語が描かれる。それは時に、悪鬼からプリンセスを取り戻す勇者の物語であったり、時に、未知の砂漠における巡礼の旅であったりする。 こうした物語を描く上で、大きな鍵となるのが「物語は誰のものか」という問題である。 物語…

FPSファン必見! 銃のリロード動画で癒されよう

学業や仕事の合間に、疲れを癒やすためにyoutubeやinstagramで動画を探す人は多いはずだ。 なるほど、かわいい猫や、クールなパルクール動画を探すのも良いが、あなたが真にFPSファンだというなら、weapon showcase動画を探してみるのも良いだろう。 weapons…

「量より質」へ 『ゼルダBOW』と『スイッチ』から考えるゲームデザインの変化

もはやゲームは暇潰しではない。 そう確信させたのは、Nintendo Switchと『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の登場である。 本稿では、昨今におけるゲームデザインと経済的環境の変化について、様々な好例から、市場ではゲームの「量より質」が評価さ…

世界を敵に回したいあなたに薦める6本のゲーム

当記事には『FF13』『ダークソウル』『Fallout 4』『Red Dead Redemption』『The Last of Us』『Undertale』のネタバレがあります。目次を利用ください。 僕はね、正義の味方になりたかったんだ 我々がゲームの世界に投影する自己は、およそ「正義の味方」で…

ゲーマーを納得させる「ガチャ課金」とは何か

DLC、ガチャ、拡張パック・・・ ゲーマーにとって、「課金」とは苦くもまた甘美な響きを伴うものである。 なぜ苦いのか。 ゲームショップなり、オンライン上のサービスなりで、両者はきっちりと「契約」を交わしたはずなのに、いつまでもズルズル、ズルズル…

なぜソシャゲに15万使う人間がいるのか

注:くだらないエッセイな上、ソーシャルゲームの高額なガチャを何度も利用された方には、不快に取れる表記があります。 私は、とある面白い動画を見つけた。 www.nicovideo.jp 「ふぅ」という、普段『ダークソウル』のようなハードな作品を愛するゲーマーが…

現代のレベルデザインの課題 複数の難易度について

要旨: ・最良のレベルデザインを求める上で、昨今は複数の難易度を自由に選ぶスタイルが流行している。 ・複数の難易度を用意することで調整が曖昧になる。 ・このシステムでも「優れた難易度」は存在するが、それには複数の難易度からその難易度を「当てる…

秀逸な物語を描くフロムの『ダークソウル』シリーズ、その魅力と技法

要旨: ・『ソウル』シリーズの真の魅力は物語である。 ・常識が通用しない終末的で抽象的な世界観にこそ、善悪や真偽のような挑戦的なテーゼを抱ける。 ・登場人物は多ければ良いわけでない。辛うじて生き延びる少数の人物を描くことで、彼らの生き様を見届…

「やりこまない」ゲームライフのすゝめ

「昔は夢中でゲームを遊んだが、最近ではゲームを遊ぶと疲れが溜まる。」 「期待してゲームを買ったはいいが、何故かパッケージはビニールを被ったままだ。」 先日はE3が大盛況で、様々な新作に期待で胸を躍らせるニュースのなか、読者諸賢の中にはこのよう…

『ソウル』シリーズの魅力に迫る -通貨「ソウル」の普遍性について

噂によるとフロム・ソフトウェアが生み出した、アクションRPG『Souls』シリーズは今年発売された『ダークソウル3』をもって打ち切られると言われている。 ゲーム性はピーキーでありながら、これほど多くの人間に親しまれ、愛されてきた『ソウル』シリーズ。 …

ネトゲ廃人はどこへ消えたのか

3/27 追記&修正 昨今ではプロゲーマーが、テレビや書籍のようなメディアで紹介されることもあり、「ゲームを真剣に遊ぶ人間」という姿が、以前よりは随分と評価されやすい環境になったのかなと考えている。 もちろん、それはそれで素晴らしいのだが、このよ…

何故FPSは素晴らしいか ‐FPSとモチーフを考える

(注意:本稿には一部グロテスクな表現を伴う画像が添付されています) モチーフとは、仏語で「主題」や「動機」を意味する語であり、一般的に芸術においては描かれる対象、単位を指す。 例えば、絵画でよく「リンゴ」が描かれることはご存知だろう。 何故、…

「グレネード」はFPS・TPSにおける最大の発明である

待望のベータ版、『Division』をプレイして驚愕した。 確かに、美しいグラフィックや手の込んだマップは素晴らしかったが、それより驚いたのは、戦闘における面白さが微塵も進歩してなかったことである。 『Division』はTPSベースのRPGだ。M4やAKのようなア…