読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ゲーマー日日新聞

ゲームという文化を、レビュー、攻略、考察、オピニオン、産業論、海外記事の翻訳など、複数の視点で考えるブログ。

今だから冷静に『君の名は。』を考察: 「恋」の倒錯

「恋」の倒錯: 魅力について 昨今流行の『逃げ恥』最終回を見て、本作の魅力と課題を改めて考えてみた。 本作は紛れもなく「恋愛」が主なテーマである。キャッチフレーズで「この夏、日本中が恋をする」とあるぐらいだし。 実際問題、「恋」は極めて普遍的…

ゲーマーが選ぶ2016年映画のベスト5

ネタバレはありません 「ゲーマーが選ぶ」といいつつ、ゲーム的な話はないです。 レヴェナント 蘇えりし者 西部開拓時代のアメリカで、商隊のパスファインダー(先導者)の主人公が、クマに襲われ一人で脱出するという映画。 ディカプリオ悲願の「オスカー主…

2分で読める映画批評 ジャン・マルク=ヴァレ監督『ダラス・バイヤーズクラブ』

あらすじ 1985年ダラス、電気技師でロデオ・カウボーイのロン・ウッドルーフは「エイズで余命30日」と宣告される。 当時まだエイズは「ゲイ特有の病気」だと一般的には思い込まれており、無類の女好きであるロンは診断結果を信じようとしなかったが、詳しく…

ネタバレ映画感想と考察 片渕須直『この世界の片隅に』

本稿には以下の作品につき、重度のネタバレを含んでいます。了承の上で読んで頂けると幸い。 ・『この世界の片隅に』 あらすじ 1944年(昭和19年)、絵が得意な少女浦野すずは広島市江波から呉の北條周作のもとに嫁ぐ。戦争で物資が不足する中、すずは不器用…

2分で読める映画批評 スティーブン・スピルバーグ『BFG』

「2分で読める映画批評」は、最近記事が長めになりがちな当紙において、よりコンパクトで読みやすい文章を提供するためのカリキュラムも兼ね、流行の映画をすごく雑に紹介するコラムです。 あまりに純粋、だが進歩的 ディズニー×スピルバーグということで、…

2分で読める映画批評 クリント・イーストウッド『ハドソン河の奇跡』

原題『Sully』 2009年1月15日、USエアウェイズ1549便がニューヨーク・マンハッタンの上空850メートルを飛行中、バードストライクによって全エンジンが停止、コントロールを失う。 機長のチェスリー・サレンバーガーは必死のコントロールと苦渋の決断の末、ハ…

2分で読める映画批評 デミアン・チャゼル『セッション』

(原題:『Whiplash』) 真面目に音楽をやってる奴らなんて、実際頭おかしい 『セッション』は二人の、ちょっと頭のおかしい奴らの映画だ。 音楽に取り憑かれた、若者と師匠。若者、ニーマンは将来があり、同時に弱さも持つ。師匠、フレッチャーは熟練の技巧…

2分で読める映画批評 庵野秀明『シン・ゴジラ』

「2分で読める映画批評」は、最近記事が長めになりがちな当紙において、よりコンパクトで読みやすい文章を提供するためのカリキュラムも兼ね、流行の映画をすごく雑に紹介するコラムです。 プロパガンダ×バカ=最高の娯楽映画 まず最初に申しておくと、私は…

ゲーマーが『モネ展』を観る

ゲーマーが観る 企画「ゲーマーが観る」では、本来ゲームを包括的な視座で論じる当紙において、ゲーム以外の様々なカルチャーにアプローチすることで、息抜きと幅広い関心を持ち、ゲームへの理解も深めます。 モネ展 本稿は「マルモッタン・モネ美術館所蔵 …

映画『グラン・トリノ』の感想 真のアメリカン・ドリーム

原題:Gran Torino 公開:2008年 監督:クリント・イーストウッド 主演:クリント・イーストウッド 何だか存在自体を忘れかけていた「芸術/映画/文学」というカテゴリーだが、ふと、なんとなしに『グラン・トリノ』という映画を観て、ストンと「すごい映画だ…

ゲームの元ネタになったおすすめ映画10本

ゲームのレビューで、「このゲームの元ネタは『○○』って映画らしいね」「『××』みたいな演出がよかったな」みたいな話を聞きませんか? そう、現代ゲームは多分に映画の影響を受けたものが多いです。「映画のようなゲーム」なんて評価もしょっちゅう耳にする…

ゲーマー御用達のエナジードリンクを飲み比べてみた【e-Sports】

本ブログの読者は、徹夜でゲームを遊び倒し、ゲームレビューを執筆し、時にはゲームを制作するまでにゲームが好きという、筋金入りのゲームファンがほとんどであろう。 そんな忙しいゲーマーを支える心強い相棒といえば、「エナジードリンク」は外せない。あ…

何故『ワンピース』はギネスを獲得するほど支持されたのか?

少年ジャンプで連載中の人気漫画、『ワンピース』が「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録に認定された。 普段はゲームの記事を書いている私は、熱烈なマンガファンというわけではない。それでも、『ワンピース』は支持…

【ネタバレ】映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』の感想 愛に溺れた愚者の生き様

原題:Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance) 監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 出演:マイケル・キートン、エドワード・ノートン、ナオミ・ワッツ、他 公開:2015年4月10日(日本) 磨き上げられた技法 本作はまず、長回しによる映…

【おすすめ】新・午前十時の映画祭で確実に抑えるべき10本の名作映画を選んでみた

もはやすっかり定例イベントと化した、全国の映画館で開催される「午前十時の映画祭」。 要するに、昔の名作映画を最新のスクリーンで楽しもうという企画だが、取り上げられるタイトルはどれも秀逸で、マイナー過ぎずベタ過ぎないと評判だ。 おまけに、本来…

【ネタバレ】映画『イミテーションゲーム』の感想 天才を突き動かした愛情

原題:The Imitation Game 監督:モルテン・ティルドゥム 出演:ベネディクト・カンバーバッチ、マシュー・グッド、キーラ・ナイトレイ、他 公開:2015年3月13日(日本) エニグマに挑む 「この映画は実話です」という前置きと共に、スクリーンに登場する一…

【評価】神戸、チューリヒ美術館展の感想

チューリヒ美術館展に行ってきました。(だいぶ前) この展覧会では、主に印象派からシュルレアリスムまでの作品を収蔵するチューリヒ美術館のコレクションが展示され、著名な画家から渋い彫刻家まで多種多様な作品が集められています。 クロード・モネ《睡…

『アメリカン・スナイパー』感想 堕落した西部劇

原題:Americn Sniper(2014年公開) 監督:クリント・イーストウッド 主演:ブラッドリー・クーパー 「戦争映画」からの解放 主人公のカイルは、カウボーイに憧れていた。 狙撃技能も高く、ロデオも上手な彼は、正に「カウボーイ」だった。ただ、現代でカウ…

【評価】神戸、ホドラー展の感想 善きリズム

「もし幸運にも、相応しい場所を見つけられたなら、その絵のほとんどは既に完成している」 ーフェルディナント・ホドラー ホドラー展に行ってきました。 ホドラーとは、スイスの国民的な画家で、かつてはスイスフラン紙幣のデザインも手がけたことのある方ら…

小説『ジョーカーゲーム』 感想 組織に生きるシャーロック

映画化されたので再読したら、やっぱり面白かった『ジョーカーゲーム』。せっかくなので息抜きがてら紹介しよう。 作品概要 満州事変直後の日本。極秘裏に陸軍内に設立された、スパイ組織「D機関」が存在した。 彼らの理念は日本のそれとは正反対の「死ぬな…

ゲームを遊びまくったら、SNSの議論の不毛さに気付いてしまった件

唐突だが、私はネット上で頻発する議論(らしきもの)に、興味を持って聞いたことがない。 イスラム国、解散総選挙、オタクの倫理、インディーズゲームの未来・・・ 散々Twitterやら2ちゃんねるやらで議論されてきた内容だが、それが建設的だと思ったことよ…

ガチでゲーム遊んできた奴が『艦これ』を真剣に批評する

ここ数日、各SNSやまとめサイトを賑わせているアニメといえば、大人気ソーシャルゲームを原作とした『アイドルマスター:シンデレラガールズ』『艦隊これくしょん』が挙げられます。ではここまで人々を惹きつける『アイマス』『艦これ』の魅力とは、一体何な…

映画『キャプテン・フィリップス』 感想

綿密に計算された模写と、そこから描かれる革新的なリアリズムが素晴らしい映画でした。 この映画は「敵にも同情してるし、アメリカ万歳でもないから、中立でしょ!リアルでしょ!」という、最近ありがちな映画ではありません。驚くほど冷徹で、それでいてア…

【あべの、東京】『新印象派 光と色のドラマ』の感想 啓蒙と賛美の谿間

前売りのチケットまで買って楽しみにしてた「新印象派 光と色のドラマ」に行ってきました。とても興味深かったので、いろいろ感想を書きたいなーって思います。

映画『アメリカン・ビューティー』 感想

今回は、『アメリカン・ビューティー』の批評を書きました。 アカデミー賞取ったことと、ケヴィンスペイシーが主演をはったことで有名な作品ですね。 私はこの作品が大好きです。しかし、ネットを見て回る限り、あまり高い評価を貰ってないようで、少し残念…

【COD:AW】ケヴィン・スペイシーのおすすめ映画を7本紹介する【アイアンズ社長】

『Call of Duty: Advanced Warfare』の字幕版がついに発売された。(吹き替え版は12月4日)『COD』と言えば、やはり豊富なルールが楽しめるマルチだろうが、キャンペーンにも期待しているというファンも多いのではないだろうか。そして、本作のキャンペーン…

京都、ホイッスラー展の感想: 美が支配する独裁国家

「ホイッスラー展 ジャポニズムの巨匠、ついに日本へ」に友達連れて行ってきました。いやー、どの絵も綺麗で、すごい感動したんで、ちょっと感想書こうと思います。 …ところで、僕らゲーマーは普段からゲームを遊んでますが、もしゲームを「鑑賞する」なんて…

カフカの『変身』から考えた、オタクの「クソみたいな続編」との向き合い方

うーん…、記事用に『COD:Ghost』を軽く遊んだけど、やっぱり微妙なゲームだ。続編として期待すると、コレじゃない感がすごい。『Ghost』に限らず、ゲームなり映画なり、カルチャーに携わる者の宿痾として、「続編に裏切られる」ことは避けては通れない哀しみ…

映画『グレートビューティー』 感想 ローマの美は失われたのか?

『グレート・ビューティー/追憶のローマ』を観てきました。私が監督のパオロ・ソレンティーノのファンだったので友人と観たのですが、期待を裏切らないクオリティでしたね。タイトルからして、いかにも地味なヨーロッパ映画を想像してたのですが、そこはパオ…

デュフィ展の感想 蒼が咲き乱れる混沌の時代

Kindleは買うべきでない?「本」のメリットとデメリット

Kindleなんていらない。電子書籍など全くのゴミ! …というのは恐らく誰でも言えるので、本稿では「Kindle」と比較した「本」について論じようと思う。 私にとってKindleの台頭は、「本の価値を貶める危険な状態」というより、むしろ「本」の真価に迫る素晴ら…

学生が夏休みのうちに読んでおきたい日本文学15選

今日はちょっと実用的な記事を目指して書いてみました。 7月に入り、ずいぶん暑くなってきましたね。 カフェのような避暑地に入って読書を楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。 学生の方には夏休みが近い、或いは夏休みに既に突入した方も多いかと思…

ボストン美術館浮世絵名品展 北斎 に行ってきたよー

今年は既に数カ所の美術展を訪れたのだが、北斎展は2014年の中でも群を抜いて注目され、私も多いに期待していた。 まるでレンブラントでも来たような歓迎ぶりだが、そもそも北斎は日本人。何でいつでも観れないの?と思うだろう。 なんとこの北斎の絵画、全…