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ゲーマー日日新聞

ゲームという文化を、レビュー、攻略、考察、オピニオン、産業論、海外記事の翻訳など、複数の視点で考えるブログ。

【評価】アサシンクリード4の感想やレビュー 大海原のオープンワールド

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さて前回に引き続き、『Assasin's creed 4』の魅力を紹介していくぞ∩^ω^∩

まず、「炸裂する開放感」について説明しよう。

 

本作における開放感、自由を謳歌する喜びは、他の「箱庭ゲー」に勝るとも劣らない。これは「舞台」「ストーリー」「戦闘」の観点から、箱庭ゲーの新たな可能性を見出したからだ。

 

 

 

 

 

 

まず「舞台」が開放感に満ちている。

本作の舞台は、キューバや南米を中心とした南大西洋。 現代におけるキューバも、年間13億米ドル以上の収入を誇る観光大国であり、それらカリブの楽園を楽しめるだけで、南米ファンの我々としては嬉しい。

特に、Steamの人気RTS『Tropico』シリーズを愛するゲーマー諸兄にとっても、観光大国キューバを歩き回れるのはワクワクするだろう。 これら陸上の観光地の他に、ゲームの大半は海で過ごすことになるが、海の表現も実に素晴らしい。

海や波のリアルな表現に成功したゲームと言えば、『Grand Theft Auto 5』を思い浮かべるだろうが、本作の魅力はその更に上を行く。 太陽の角度一つで海の色は万華鏡のように変化し、嵐がやって来れば『GTA5』など比にならない大波が船を襲う。 鷺や鳶が空を舞い、シャチやイルカが波間から顔を覗かせる。

「海」という一見、平凡で退屈な箱庭を、UBIは最大の努力でもって、「海」の豊かさを表現する箱庭へ昇華させたのだ。

また、UBIはアーネスト・ヘミングウェイの『老人と海』や、ハーマン・メルヴィルの『白鯨』で描かれた情景を多いに参考にしているようで、ゲームでもこれらのオマージュらしきシーンは多い。

こういった文学を参考に、「箱庭」を描く努力は、現代ゲームの思慮深さを思わせる。 (全くの余談だが、スターバックスコーヒーの名前の由来は、メルヴィル『白鯨』のキャラクター、スターバック一等航海士である) 雑多な市街地を抜けだして、大海原を駆ける開放感たるや、他のゲームでは味わえないだろう。

 

次は「ストーリー」の開放感について述べよう。

本作の主人公は他ならぬ「海賊」で、彼の旗もアナーキー(無政府主義)を表す真っ黒な下地にドクロと、清々しい程のワルである。

前作、『アサシンクリード3』では、主人公は自由のために戦う正義感のインディアンであり、普段から暗殺やスリを日常茶飯事的に行う主人公が、メインミッションを始めるやいなや、正義を振りかざして片っ端から暴力で解決するという、 どこか矛盾している上に陳腐な構図と、実にお粗末なストーリーという他なかった。(それでもアメリカ史好きの私として『3』は結構面白かったが)

しかし、本作の主人公は、チュートリアルでアサシンを殺してテンプル騎士団側に売り込んだ上に、テンプル騎士団を裏切る理由も「報酬がショボイから」という、 実にアナーキーな主人公。 そんな主人公が、徐々に仲間という人間関係を形成し、その中での成長が、「ワンピースもどき」から「アサシンクリード」へ変化していくストーリーは、多くのプレイヤーも納得がいくだろう。

元々、「箱庭ゲー」を遊ぶプレイヤーは「自由」を求めて遊んでいるはず。(「犯罪」ではない) そんなプレイヤーにとって、富と名声を掻っ攫うだけのアナーキー、ワルな主人公こそ感情移入しやすい。

『GTA5』のトレバーが最も人気を集めたのも、恐らくそういった点が強いはずであり、

アナーキーな主人公に感情移入したプレイヤーは、主人公の抱く奇妙な正義感に振り回されず、主人公の野心だけの開放感を味わうのだ。

 

 最後に、「戦闘」を挙げよう。

『アサシンクリード』シリーズの戦闘は、初代こそ退屈で平凡だったものの、徐々に改善されていき、今作においては十分に楽しめるまでに向上したといえる。

まずフリーエイム(自分で照準を狙える)による射撃が可能になった。前作まではロックオンによる射撃のみで、ボタンを連打してるだけで敵を倒す退屈な仕様だったが、 今回からはロックオンとフリーエイムを使い分けることで、剣戟を支えるコンボにも、或いは遠距離からの暗殺にも、両方使えるようになった。

これが実に大きく、敵兵の多くは近接しかこなせないので、頭に当てるAIM技術さえあれば圧倒できるが、逆に銃撃を外せば、こちらがリロードでピンチになる、リスクリターンのある激しい攻防が可能だからだ。

その上、海賊らしい二刀流、煙幕やダーツ等の豊富なアイテム、技を美しく見せるスローモーション、大きく改良されたステルス等、とにかく圧倒的な手段と演出の豊富さが、戦闘を飽きさせない。

確かに、さして高度な戦略は問われないものの、プレイヤーの「魅せる」プレイをここまで引き立てる要素が揃っていれば、戦闘で退屈することはないだろう。

しかし、ここまではまだ序章。 真の面白さは、やはり船舶同士の海戦だろう。 船舶が積載する武器は、迫撃砲、主砲、機雷、速射砲、重砲、側面砲と多種多様で、様々な距離や角度から武器を使い分ける技能と判断力が求められる。

そして何より特徴的なのが、船の立ち回りだ。

操作するのは帆船であるので、動きは早くてもハンドリングは鈍い。 しかし、敵船の主砲は船の横側につけてあるので、何とかして敵船の裏側に回りたい。

よって、相手の船の裏側に、自分の船の横側を向けるよう、自分の船の方向と、敵の船の方向を調整しなければならない。

更に、敵は船団であることも多いので、敵船の裏を突いたと思ったら、もう片方の船が自分の船を狙ってきた。という展開もある。

かように、もし上手く立ち回ろうと思えば、あの『Armored Core』シリーズのように、様々な観点から戦況を見極めねばならない、複雑な戦闘を楽しめる。 (実際は金銭を稼いで、高級な装備でゴリ押しすれば大抵の場面は突破できるので、初心者の方も安心できる) しかしそんな小難しいことよりも、この迫力こそ真の魅力だろう。

大量の船員が右往左往し、怒声を飛ばし、大砲を構える姿は実に壮観であり、 その上、大量の砲弾が飛び交う様、敵味方の船がバラバラに壊れていく様、船の上を行き交う10人以上のNPCの乱闘の様は、現代ゲームの技術力をとくと見せてもらえる。

スタイリッシュな剣戟に、大迫力の海戦と、手段もビジュアルも富んだ戦闘は、箱庭ゲーによくある地味な戦闘と比較して、プレイヤーの欲望を満さんと開放感溢れる内容となっている。

 

 

長くなってしまったが、これこそ本作最大の魅力、「炸裂する開放感」の正体だ。 実は、もう1つ本作には紹介したい魅力が存在する。 それは「孤独感の解消」だ。 次項では、既存の「箱庭ゲー」と比較し、「箱庭ゲー」の抱える宿痾としての孤独感と、『アサシンクリード4』のもたらした解決法 そして、本作における総論を述べたい。