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ゲーマー日日新聞

ゲームという文化を、レビュー、攻略、考察、オピニオン、産業論、海外記事の翻訳など、複数の視点で考えるブログ。

なぜ世界のゲーマーは「アサシンクリードユニティ」に期待するのか


Assassin's Creed Unity Gamescom 2014 ...

 

 

 

 

 

GamesComの動画を観ましたが、まさかこれほど面白そうな作品に仕上がっているとは。

もはや疑う余地はありません。『Distiny』『Evolve』『BloodBorn』に対抗出来る話題の新作、それは『Assassin's creed Unity』でしょう!

 

 

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発売日は11月20日。待ち遠しい限りですね。

一方で、ベテランゲーマーの中には、『Assassin's creed』(以下AC)に対して、疑念を持つ方もいるはずです。

少なくとも、PCゲーマー界隈では、『3』以前は微妙なゲームというのが通説となっており、私自身もその評価を否定できません。

しかし、『AC:U』はそんなハードなPCゲーマーにも薦められます。本作が醸し出す魅力の一部をお伝えできたら幸いです。



  1. 「祖国」を描くUBIの強い決意
  2. ソーシャルステルス」はパリでこそ映える
  3. 「世界一の観光大国」にようこそ!

 

 

 

 

 

 

 


1、「祖国」を描くUBIの強い決意

 

 

 

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『AC』シリーズは、今まであらゆる時代と世界を背景に、史実に沿ったオープンワールドとストーリーを提供してきました。

『AC1』では十字軍時代のエルサレム、また『ACR』では、全盛期オスマン帝国イスタンブール。どれも高校の世界史の教科書なら、太字で覚えさせられる程に栄華を誇った史跡です。

しかしながら、今まで「フランス革命期のパリ」を描いた『AC』シリーズはなかったのです。それは何故か。



それは、UBIの「プレッシャー」からでしょう。

彼らは、トルコやアメリカよりも、はるかにフランスを描いた作品への批評を恐れています。

なぜなら、UBIの本社はフランスであり、「フランス革命期のパリ」は、UBIの祖国の時代を描くことになるからです。

まして、「フランス革命期のパリ」など、フランスにとっては勿論、世界にとっても万人の知る時代です。

文学でも『赤と黒』『レ・ミゼラブル』などは勿論、『感情教育』『三銃士』など、世界に名高いフランス文学もこの時代に生まれ、日本を含めた世界の文学の礎を築いたのです。

 

 

 

 

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さて、『AC』シリーズにとって「フランス革命」とは何でしょうか。

先述したように、UBIは世界中の史跡を駆け巡ることを『AC』シリーズの最大のウリにしています。

そして、フランス革命は言わずもがな、世界史の教科書で何ページも取る程の、最大級の史跡です。

同時に、UBIはフランスの企業であり、彼らのファンもまた多くはフランス人です。

ということは、『AC』シリーズにとって、「フランス革命のパリ」は、真っ先に採用したかった、「売れる」舞台のはず。

一方で、ファンの多くがフランス人なわけですから、「フランス革命」を描くアサシンクリードは「売れる」以上に、「期待」もされるはずです。

万一、『AC3』のような微妙なクオリティで「フランス革命のパリ」のアサシンクリードを売ろうものなら、フランス人が主なファン層からの、更なるの失望は避けられないでしょう。

 

 

 

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だからこそ、彼らは初代『Assassin's creed』から、およそ7年の間に、6作もの作品を輩出する中で、着々とノウハウを積み上げ、

遂に「GOサイン」が出せるほどの自信を、UBIは手に入れたのでしょう。

実際、『AC1』は駄作、『AC2』は平凡な作品でしたが、前作『AC4』に至っては確かに「ゲーム性」をしっかり追求した名作に仕上がっていました。

言うならば、本作『Assassin's creed Unity』は7年目の正直であり、それだけの自信の表れであるのです。

自分の祖国と、その最も輝かしい時代を描くプレッシャーをはねのけ、ついに開発にこぎつけた『ACU』。これはファンならずとも期待して良いのではないでしょうか?

 

 

 

 


2、「ソーシャルステルス」はパリでこそ映える

 

 

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さて、個人的な『ACU』への一番の期待は、前途のプレッシャーに対する決断力だったのですが、それ以外にもまだあります。

一つは「ソーシャルステルス」と「パリ」の相性です。

『AC』シリーズは初代から「ソーシャルステルス」というジャンルで販売されていたのですが、これは正直微妙なシステムでした。

本来ステルスゲームは、「見つからずに相手を倒す」ことに特化したゲームですが、

ソーシャルステルス」では、「見つかりながら相手を倒し、その後隠れる」ことに特化したゲームなのです。

が、これがかなり退屈。



まず隠れられる場所は、ベンチ、歩く群衆、だべる群集など、NPCが群がる場所に限定され、オープンワールドゲームで背景であったNPCを、ステルスという「ゲーム性」に組み込んだ点は見事です。

ところが、肝心の「ソーシャル」、「群集」がびっくりするほど無機質かつ低クオリティなのです。

無表情で似たような服装の人間が、何十人出てきても、我々からすれば「群集」ではなく「NPCの群れ」にしか見えないのが困りもの。

その上、『AC1』~『AC4』を通してほとんどNPCのパターンが同じで、シリーズを進める者としては、さすがに飽きてしまいます。

これには技術的な問題もさながら、「中世における多様性の欠如」という、舞台的に避けられない課題だったのもあるでしょう。

なぜなら、中世では群集のほとんどが農民で職業的が統一され、更に物質的にも豊かではなかったため、そんなに鮮やかなNPCが出せなかったからです。



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そこで本作は、近代ならではの「多様性」を全面的に打ち出します。

まずはこの画像を見てください。単純に数が多いこともさながら、群集の中には学生、浮浪者、没落貴族、娼婦、兵士、金貸し、農民、芸術家、等々…

『AC4』とは比べ物にならぬほど、群集の「多様性」が進化しています。

それもそうでしょう、このの時代におけるヨーロッパは、暗黒時代から抜け出し、真に栄光への道を突き進む時代です。

 

物質的な豊かさが増したことで、国民は様々なファッションに挑戦することが出来るようになったのです。

進化したグラフィックに合わせ、進化した時代のNPCたちも、さぞや新作を美しく彩ってくれることでしょう。

舞台のなる時代の「ソーシャル」が完成して、初めてゲーム内の「ソーシャル」も輝くはずですから。



2013年のレ・ミゼラブルという映画は、日本で爆発的にヒットしたので、観た人も多いかもしれませんが、

そこでは、様々な階級や職業の人間が、各々の信念にもとに生きる努力が、実に華やかに描かれていたのが印象的でした。

そして、まさにその『レ・ミゼラブル』の世界の根拠が、この時代にあったのです。


 

 

 


3、「世界一の観光大国」にようこそ!

 

 

 

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いろいろとぶしつけな根拠を上げて、「客観的」に期待しようと試みましたが、その中でも、これが一番ぶしつけな根拠でしょう。

「フランス」は世界で最も、オープンワールドとして採用すべき舞台だからです。


なぜなら、


①:フランスは、世界第一位の観光大国です。

②:フランスは、世界第四位の世界遺産の保有国です。





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           -=ニニニニ=-


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                     (.゙ー'''", ;,; ' ; ;;  ':  ,'
                   _,,-','", ;: ' ; :, ': ,:    :'  

(おわり)



というのは冗談のようで、マジです。

実は、世界遺産を最も保有する国は、『AC2』『ACB』で「イタリア」として登場しましたが、その時点では「ゲーム性」がまだまだ磨かれておらず、

本当に面白いところが観光しかない、しかもそんなにグラフィックはすごくない。という、世界史好き以外には、お勧めできないゲームでした。

しかし、本作『Asasssin's Creed Unity』は違います。

新世代機の導入もあって、グラフィックも劇的に進化したのはあるのですが、

1章で述べた、『AC4』までのノウハウで、かなりの改善が見られた「ゲーム性」、

更に2章で述べた、文化の「多様性」によって、様々な職業とそれに合わせた建築物が増えていったことも見逃せません。

『AC2』は確かに観光ゲームとして有力ですが、それでもゲーム性は凡作、時代も退屈、グラフィックは微妙と、イタリアのファンの私でさえ、あまり薦められないゲームでした。

しかし本作では、「多様性ある文化」「高度な技術」「研ぎ澄まされたゲーム性」を備えた本作が、

現代における最高の観光大国「フランス」と、世界史における最大の混迷期「革命時代」に出会ってしまえば、一体どんな面白さが炸裂するのか。

もはや、「客観的に」期待できるといっても、過言ではないと思います。

 

 

 

総論


さて、いかがだったでしょうか。

未発売のゲームへの批評という、ちょっと禁じ手地味た記事を書いてしまいましたが、

 

まだまだゲームレビューの形は手探りなので、多少フリーにやってみました。

いわずもがな、未発売の作品ですので、現時点で決定している要素を根拠に、結論までがその範囲内で収めるのは新鮮で面白かったです。

 

メイン購入層であるフランス人のプレッシャーを跳ね返す自信、

『AC』のソーシャルステルスに噛み合った時代、

オープンワールドには最高峰の舞台、

 

これほど傑作への布石を揃えていれば、『AC:U』に世界が寄せる期待は大きなものでしょう。

 





本作『AC:U』は、UBI初の次世代機ゲームというのもあって、UBIの真価が問われる時でしょう。

そのタイミングで「フランス革命」をぶつけてきたUBI、これは実に興味深い博打だと思います。

何にしても、『AC:U』の発売日が楽しみです。