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ゲーマー日日新聞

ゲームという文化を、レビュー、攻略、考察、オピニオン、産業論、海外記事の翻訳など、複数の視点で考えるブログ。

Steamセールで抑えるべき名作をレビュー 『Saints Row 4』『Metro Redux』『Dead Island』

ゲームレビュー

steamにセールが来たので覗いてみると、中々豪華なラインナップだった。

そこで、今日は『Saints Row 4』『Metro Redux』『Dead Island』を中心に、このセールで抑えるべき名作を紹介・批評するぞ!

Deep Silver Publisher Weekend



 

 

 

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Saints Row Ultimate Franchise Pack \1395


ー「箱庭ゲー」へのメタフィクション




Saints Row』が3本+DLCまで入って、1400円はかなり安い。まだ買ってないなら、是非抑えておきたい作品だ。

本作は、『GTA』シリーズを彷彿とさせる箱庭に、コミカルな武器やミッションを加えたTPSである。

そうは言っても、賢明なゲーマー諸兄は「同じようなゲーム、それも箱庭ゲームを3本も買っても飽きるのではないか?」と思うかもしれない。

だが安心してほしい。これらのシリーズは、少ない開発費の中から、巧妙に差別化を図っている。

まず、『Saints Row 2』の場合、奇妙なYAKUZAやバキュームカー戦車といった、抱腹絶倒間違いなしのギャグと共にストーリーを楽しむ事ができる。

 

 

 

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また、『Saints Row 3』の場合は、美しくなったグラフィックに、セレブ感をアピールする様々な要素が追加。「俺TUEEEE」的な魅せる要素が大きく増え、キャラクリの面白さも倍増した。

最後に、『Saints Row 4』の場合は、超人的な能力とハイスペックな武器を手に入れ、『SR3』の舞台をスーパーマンとして蹂躙するメタフィクション的な面白さが印象的だ。(ただの使い回しとも言えるが)

何にせよ、本作は箱庭ゲームにありながら、その本質はギャグや演出といった「既存の箱庭ゲームに対する強烈なメタフィクション的体験」にある。

故に、シリーズそれぞれの面白さや重点も異なり、同時に遊ぶことで見えてくる面白さもあるだろう。(逆に、箱庭そのものに期待する方にはオススメできない)


 

 

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Metro Redux Bundle \2490


ー「追われる者」の悲哀




つい2ヶ月前に発売された、『Metro Redux』が早くも半額で登場。

本作は、『FALLOUT』シリーズを思わせるポストアポカリプス的世界観に、一本道のシューターと僅かなRPG要素を備えたFPSだ。

同時に、そのデザインと開発者の関係で、名作『STALKER』と引き合いに出され、「凡作」の烙印を押された作品でもある。

 

 

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しかし、私は『STALKER』にない魅力が、『Metro』にあると思う。

何故なら、『Metro』は「追われる者」たちを描き、『STALKER』は「追う者」たちを描いているからだ。

どういう事かというと、『Metro』の下地となるのは、核戦争によって地下への避難を余儀なくされ、何とか息を潜めて生き延びる人々の生活である。

主人公アルチョムもまたその生き残りの一人であり、彼は自分に課せられたミッションと共に、この「メトロ」を一つ一つ通り抜けていく。

その先には様々な困難がある。貧しさに喘ぐ「メトロ」、亡霊に支配された「メトロ」、イデオロギーのぶつかり合う「メトロ」。

これら一つ一つの物語は、「メトロ」という閉塞された一本の道だから形成される空間であり、箱庭の「ZONE」で気ままに生きるストーカーの間では、決して感じることの出来ない世界である。

そして、それらの「メトロ」は引き返すことの出来ない一本の道、つまりアルチョム本人の人生となって、プレイヤーは彼とともに苦悩しつつ、その奇妙な空間の未来を見据えることになるのである。

結局、『Metro』は『STALKER』とは別のアプローチで、全く異なるナラティブを形成しようとした名作であり、今まで避けていた方にも、もう一度遊んで欲しい傑作だ。


 

 

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Dead Island Collection \745

ー貴重な「ゆるやかなCOOP」


 


あなたは、COOPゲームが好きだろうか?

こんな質問をすれば、多くの方が「イエス」と答えてくれるだろう。実際、私もCOOPゲームは大好きだ。

しかし、各人がCOOPゲームに求めるものは違う。「協力して激戦を耐え凌ぐスリル」と答える人もいれば、「友達とダベる時に使うコミュニケーションツールとして」と答える人もいるだろう。

そして本作は、その後者としての面白さを強化したゲームである。

本作は、ゾンビによって襲われた南国で、ハクスラのように様々な武器を回収しつつ、島を脱出するFPSだ。

 

 

 

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最近、様々なCOOPゲームが生まれてきたが、『Left 4 Dead』のような忙しいゲームが多すぎると私は思う。

敵を銃撃して、弾薬を配って、味方を蘇生して、安全地帯まで異動して… と繰り返していれば、常に自分のプレイに集中するために、「今、誰かと協力してるな」という感覚が薄くなってくる。

(それを両立させたのは『L4D』くらいだ)

確かに、そういうスピーディーなCOOPも面白いが、私が友達と一緒に遊びたいCOOPは、もっと穏やかで、会話も弾む余地があるような、そんなCOOPだ。

その点、この『Dead Island』は素晴らしい。

敵の大半はノロノロ動くゾンビだし、銃撃する敵も遮蔽物を活用すれば大した脅威にはならない。

かといって、凡作TPSのような中弛みもなく、随所随所に強力なボスやゾンビのラッシュが襲いかかり、共闘する必然性も生まれる。

また、武器が消耗品なこともあって、「レア武器狩り」のような作業を行う必要もなく、そこそこ探索しつつ、良い武器が見つかったとか、ゾンビがいたとかで会話も盛り上がる。

とにかく、ゲームの進行はダレない程に遅く、アイテムに血眼になるほどのマゾさもなく、友人とVCをしながら、和気藹々と進めるには最高のCOOPゲームなのだ。

こういう「ゆるやかなCOOP」は珍しく、現代に横溢するCOOPゲーにおける、一つのジャンルを確立したと言えるだろう。