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ゲーマー日日新聞

ゲームという文化を、レビュー、攻略、考察、オピニオン、産業論、海外記事の翻訳など、複数の視点で考えるブログ。

2014年で一番面白かったゲーム(GOTY)について

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今日は、『若年PCゲーマーのきまぐれ』様の企画、「僕の私のGoTY 2014」に参加して参りました。


私自身、このブログを始めたのも今年の8月で、ブログのおかげで様々な作品を意欲的に触れることが出来ました。さっそく、考察していこうと思います。

一応、記事内の作品は全て2014年に発売された、ないしはサービスを開始したもののみ取り扱っております。

 

3位: Door Kickers

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さて、テレビゲームの元を辿ればチェスである。そして、ストラテジーゲームは、両プレイヤーがどうやってコマを動かし、どうやって互いのコマを殲滅するかという、チェスに酷似したゲーム性だ。

つまり、ストラテジーは最もゲームの「起源」に迫るゲームであり、そこには尋常ならざるバランスと作り込みが必要とされる。

最近では『Frozen Synapse』も本作と同じアプローチで挑み、高い評価を得たが、本作『Door Kicker』も負けず劣らずの完成された作品だった。

だが、ただ熟成されただけの作品ではない。本作がその他のストラテジーと抜きん出ているのは、高いプレイアビリティと強い互恵性である。

 

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まず、本作は基本的にRTSだが、好きなタイミングでポーズをかけ、その上で各隊員に指示を与えられる。

だから、最初に隊員に具体的な指示を与えることで合理的に掃討しつつ、何かミスやハプニングがあった時は、シームレスに隊員を操作して撤退させたり、援護させたり出来るのだ。

これにより、ガチガチに戦略を建てずとも、プレイヤーの判断次第でどうとでもなる「緩み」を生み出し、それが本作の高いプレイアビリティに繋がっている。

また、敵を倒す毎に武器をアンロックしたり、スキルを振り分けるといった、RPG的な要素もプレイヤーに対する「報酬」として用意されているのが新しい。

本来、このようなお固いストラテジーゲームでは、苦労して作りこんだレベルデザインを楽しんでもらうために、このように報酬をちらつかせるやり方は好まれないのだ。

更に、敵が撃たれるとドバーっと血を噴いて倒れるバイオレンスな演出や、ガンマニアも満足するほど豊富な実銃も使えるなど、(『Hotline: Miami』みたいだ)

ただ「ストラテジー」だけでなく、様々な快楽的なアプローチで、プレイヤーのモチベーションを上げようとする謙虚さも素晴らしい。

 

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このように、ある程度の「緩さ」を認めるプレイアビリティに、RPG要素やバイオレンスな演出を惜しみなく与える互酬性。

カジュアルゲーマーが増える中で人気を衰えていったストラテジーゲームの中で、本作は幅広い層にアピールする要素を取り込みつつ、高度なレベルデザインも維持することで、上質な作品に仕上がっている。

久々に熱中できたストラテジータクティクスだった。


2位: Call of Duty: Advanced Warfare

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昨今のFPS界隈において「定番」と受け入れられ、毎年新作が発売されていた『COD』シリーズ。

しかしここ数年は、作品を出す毎にマンネリ具合は打破できず、レビューサイトではスパム地味た悪評が付きまとうようになった。

そこで、パブリッシャーのInfinity Wordは「打開策」として新たなチームを組織し、ゲーム性を大きく革新した『COD』を投入した。それが、本作である。


まず前提として、FPSは突き詰めていけば「移動と射撃」のゲームである。いかに有利なポジションを陣取り、いかに敵に弾を命中させるか。その二つのマトリクスが、FPSの奥深さを形成する。

そして、本作が主にテコ入れしたのは、「移動」の部分だ。本作のプレイヤーは、ブーストジャンプや二段ジャンプで、縦横無尽に移動することが出来る。

私は一見、これが『Quake』のようなFPSの根源的な「競技性」を蘇らせるかと考えたが、実際はそうではなかった。何故なら、「射撃」の部分がほとんど手付かずのままで、いくら飛び跳ねようと高性能な銃で撃ちあう限り、普段の『COD』と同じようにサクサク敵が倒せてしまうからである。

発売前に、ハードコアなFPSの復活を予感した私は落胆したが、プレイするに従ってむしろ本作こそ、次世代FPSに相応しいものだと思えるようになった。

確かに、本作は古典的なFPSの競技性を取り戻す作品ではなかった。だが一方で、『COD』の持ち味であった爽快感あるカジュアルな戦いを、一層強めていることに気づいたためである。

 

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今までの『COD』の持ち味は、その功利性だった。倒されてもすぐにリスポンし、銃は低反動かつ高威力で、連続でキルをすれば報酬まで貰える。だからこそ、自然に「楽しい」と思えるよう作られているのだ。

そして、本作でブラッシュアップされた「移動」の自由度は、正にこの直感的な快楽を強調するものだ。

つまり、リスポン後の復帰を更にスムーズに、マップに縛られない自由な移動、発砲後の速やかな離脱などが、ブーストジャンプ等の「移動」によって実現したのである。

本作は、確かに新たな『COD』だった。だが、あくまで『COD』に求められていること、可能なことを、最大限実現しようと努力したのであり、これこそ真の「進化」と言えよう。

確かに、本作は完璧でなかったかもしれない。

しかし、競技性を追求して既存のファンを置いてきぼりにすることもなく、また消極的な続編で妥協することもなく、『COD』という看板を自覚した「より良い『COD』」を目指したsledgehammer gamesの姿勢と作品に、私は心を打たれた。 


1位: Hearth Stone

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私は、2013年に発売された『The Last of Us』こそ、シングルプレイに革命をもたらした傑作だと評価しているが、

本作『Hearth Stone』は、2014年においてマルチプレイに革命をもたらした傑作である。


さて、上述したように、ここ数年のマルチプレイは『League of Legends』のような、いわゆる「MOBA」と呼ばれる作品群に支配されていた。

これらの作品は、RTSから論理性を弱めてアクションを強めたようなバランス、TCGから影響されたヒーローシステムなど、これでもかと様々なゲームをごちゃ混ぜにしつつも、バランスはしっかり保たれている。

つまり、「MOBA」の人気の秘訣は、既存のジャンルの間にあった「ノーマンズランド(紛争の中間地帯)」を突いたゲーム性なのだ。

故に、「MOBA」はただの「パクリ」に甘んずることなく、独立したゲーム性を確立せしめたのであり、そこに「ノーマンズランド」(誰も立ち入れない)と呼ぶ根拠がある。

 

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一方、本作『Hearth Stone』は、一見シンプルなカードゲームであり、「MOBA」とは正反対のゲームに思える。

しかし、この『Hearth Stone』に通ずる魅力もまた、周囲のノウハウを吸収しつつも独自の個性を維持する、「ノーマンズランド」としてのゲーム性なのだ。

まず本作は、『Magic the Gathering』をベースにしている。『MtG』は伝説的なトレーディングカードゲームであり、論理的なデッキの構築とシビアなプレイングが要求される渋いボードゲームだ。

そこで「MOBA」がRTSをカジュアル化したように、本作においても土地カードが不要になるなど、『MtG』の要素をカジュアル化した上で、ゲームの核に据えた。

同時に、こともあろうに「MOBA」の「ヒーロー」要素を大々的に取り入れ、『MtG』のデッキ構築と融合したのだ。

これにより、簡単なプレイでダイナミックな展開を引き起こす他、デッキの個性を強調したり、コンボの可能性を引き上げたりしている。

それだけではない。今度は、「RTS」等によく搭載される、適正な実力の相手と対戦できる「ランクマッチ」を取り入れることで、プレイヤー同士の環境を整えることを重視した。

元々『MtG』は素晴らしい作品だが、プレイする環境は「公式大会」が主で、そこではネタプレイの居場所などはなかった。カードゲームは資産も絡んでくるので、カードも技術も持たない初心者は、泣きながら友達を探すしか無かった。

そこで、オンラインゲームならではの公正なランクマッチを整備することで、格段に初心者は遊びやすくなり、また強者も常に鍛え続けることが可能となったのである。

そもそも、『MtG』を含めたカードゲームは、現実で遊ぶことを想定されたボードゲームであり、それをオンラインで遊ぶとどうしても齟齬が発生してしまう。実際、オンライン化を試みたTCGの大半は、失敗に終わっている。

『Hearth Stone』は『MtG』を下地にしながらも、そこに「MOBA」や「RTS」から得たアイディアと、独自のカジュアルながら奥深いゲーム性を投入することで、畑違いの『MtG』を見事に吸収してみせたのだ。

 

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最後に、私は「MOBA」とは全てを飲み込む大蛇のような魅力があると思う。

RTS」「アクション」「格ゲー」… あらゆるゲームジャンルを飲み込む貪欲な姿勢が、歴史的な名作を作り上げたのだ。

だが『Hearth Stone』は、その大蛇『LoL』を飲み込んで我が肉体とし、そして陸地(オンラインゲーム)に飽きることなく海洋(ボードゲーム)の魔獣『MtG』まで飲み込んだ。

決して、Blizzardは過去の栄光に甘んずることなく、後輩たちのノウハウを謙虚にも喰らい尽くした。それが、本作の面白さの粋である。

 

あとがき

 

こうして振り返ると、今年はシングルプレイの作品が不調だった代わりに、マルチプレイの作品は素晴らしい作品が多かったですね。

ここでは挙げませんでしたが、『Strike Vector』『Plants vs Zombies: Garden Warfare』『Depth』といった小粒ながらも優れた対戦ツールも生まれ、Valveが『Free to Play』という映画を公開するなど、迫り来るe-Sportsのムーブメントを感じさせる一年でした。

インディーズからも『The Vanishing of Ethan Carter』のような考えさせる作品から、『Super Time force』のような派手なアクションまで、何本か面白い作品があったのですが、中でも群を抜いて面白かった『Door Kicker』を採用しました。

また、本稿を書くにあたって『Call of Duty: Advanced Warfare』をノミネートさせるかどうかで、かなり迷ったのですが、

個人的に『CoD』とは『2』からの長い付き合いで、本作は『BO』~『Ghost』までで本作が群を抜いて印象に残ったことと、『CoD』という看板のプレッシャーに折れないディベロッパーに心を動かされ、最終的に書かせて頂きました。

最後に、恐れ多くも1位にさせて頂いた『Hearth Stone』ですが、これは企画に参加させていただいた時点でポジションを決めていた、唯一の作品でした。正直、このゲームのために書いたといっても過言ではないほどに、私にとって印象深い作品です。

さて、こんな面白い企画を考えてくださった、『若年PCゲーマーのきまぐれ』のようげ様に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

この企画には、他にも様々なブログ様が参加されており、どれも大変興味深く読ませていただきました。是非そちらも一読されることをオススメします。

 

 企画に参加されたブログ

若年PCゲーマーのきまぐれ

最安値至上主義

AK吉田の気ままななんでもブログ

おやじゲーマーの戯れ

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