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ゲーマー日日新聞

ゲームという文化を、レビュー、攻略、考察、オピニオン、産業論、海外記事の翻訳など、複数の視点で考えるブログ。

【評価】『Door Kickers』の感想やレビュー

ゲームレビュー

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今日紹介する『Door Kickers』はインディーズ出身のストラテジーゲーム。本作の目的は、特殊部隊を操り、人質と共に立てこもる犯罪者を鎮圧することだ。

しかし、いくら特殊部隊と言っても数発の被弾で死んでしまうので、フラッシュバンや味方のカバーを駆使して、無傷で鎮圧するプレイヤーの戦術と機転が問われる。

 

 

互酬性とアクションで「緩み」を作ったストラテジーゲーム


さて、この手のジャンルでは、『Rainbow Six』はもとより『Frozen Synapse』『Jagged Allience』など、多くの名作が生まれた。

これらの作品に共通するのは、何と言っても「シビア」であることだ。

一発の銃弾が致命傷となるこれらのゲームでは、細心の注意を払って隊員に指示を与え、更にセーブとロードを繰り返してやっとクリアに辿り着く。

勿論、それだけの苦難に見合うだけの名作が多いのだが、それでも初心者や時間のないゲーマーにとって、敷居が高いジャンルであることは否めない。

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だが、『Door Kickers』では、その「シビア」の中にほどよく「カジュアル」が混ざっている。

例えば、プランフェイズで隊員の配置を計画し、アクションフェイズで実際に隊員に動いてもらうことになるが、実はこの間にもプレイヤーは隊員を操作することが可能であり、

これによって、プレイヤーの計画が多少失敗したり、思わぬ犯罪者の闖入があっても、咄嗟に判断して他の隊員にカバーさせたり出来るのである。

つまり、ストラテジーが苦手な人でも、アクションである程度ならカバーできるのだ。

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更に本作では、銃やアーマーといった様々な装備を、ミッションクリアで入手できる貨幣によって購入できる。

これにより、難しいステージで詰まっても、装備を新調することであっさりクリアできたりする上、ステージをクリアする毎に報酬が貰えるというのも嬉しい。

アンロックされるものには実銃も多いので、ミリタリー好きの人なら思わずニヤリと出来るだろう。

 

「人質」をフル活用する犯人

 

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では本作はただ「ぬるい」だけなのか? いや、本作には「カジュアル」の他に、特徴的な「シビア」がプレイヤーの行く手を阻む。


それは「人質」である。大抵のステージで、犯人は民間人を人質に立てこもっており、当然人質が殺される(殺してしまう)とその場でゲームオーバーとなる。

「人質」は『Raibow Six』『SWAT』でも見られたが、本作では、犯人が特殊部隊と相まみえると、応戦するより先に人質を殺しに行ったり、障害物のように人質を使うなど、大変アクティブに「人質」を活用してくる。

以上により、アクションや強化装備で敵を倒す爽快さと、人質を守りつつ犯人を倒すシビアさが、うまい具合に本作のバランスを形成しているのだ。

更に、「人質」を局所的に配置することで、ステージに「山場」を作ることに成功している。「駐車場に散開している犯人を倒すのは容易だが、建物に人質と立てこもる犯人はどう倒すべきか」など、犯人だけでなく人質を増やすことで、レベルデザインをより多様なものとしているのが、本作の「人質」システムの魅力だ。

 

長所を伸ばしきれない『Door Kickers』

 

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このように、本作にはストラテジーというシビアなゲームながら、だれでも楽しめる敷居の低さと、「人質」という特殊なルールにより、初心者でも楽しめるような作品に仕上がっている。

だが、不満がないわけではない。

まず第一に、RPG部分の作り込みは今ひとつだ。銃器はそれぞれあっても、何がどう強いのか説明も少なく、そもそも初期装備でどうにかなる場面が多い。

せっかくアンロック要素を「特徴」として大きくフィーチャーしているのだから、それだけ重点的に開発すべきではないか。

また第二に、警察を舞台とするゲームでありながら、非殺傷(逮捕)という手段が取れない勿体無い。

特殊部隊ものの名作、『SWAT』では犯人を逮捕するほど報酬が増え、レベルデザインに幅を作っていたのだが、本作では逮捕アクションこそあれ、あまりに弱く、また追加報酬もないので現実的ではない。

一応、スタンガンやフラッシュバンといったそれらしい武器もあるのだが、性能が弱いことに加え、敵が密集していて使い物にならず、実質的なネタプレイ以外で逮捕するメリットはないのだ。

せっかく警察を主役にしているのだから、「殺傷/非殺傷」の選択肢を残しておけば、より奥深さが増したのではないか。(おあつらえ向きに武器のアンロック要素もあることだし)



以上から、本作は「ストラテジー」の中に様々な新しいシステムを投入したインディーズゲームとして、初心者から上級者まで幅広くオススメできる作品となっている。

ストラテジーだからと食わず嫌いせず、是非挑戦して欲しい作品だ。

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Gecko Stream

待望のNCISからの新曲ですヽ(゚∀゚ )ノ