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ゲーマー日日新聞

ゲームという文化を、レビュー、攻略、考察、オピニオン、産業論、海外記事の翻訳など、複数の視点で考えるブログ。

【評価】Evolveの感想とかレビュー ロールプレイとゲームプレイの融解

ゲームレビュー

 

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ゲーム概要


個性豊かなクラスを持つハンター4人と、強大な力を持つモンスター1人に分かれて、合計5人でデスマッチを行う、マルチプレイメインのFPS。

ハンター側はいかに協力し、モンスター側はいかに生き延びるか問われる、非対称な対戦が魅力だ。

開発には、あの『L4D』の制作メンバーも関わっており、本格的なゲームプレイが期待される。

 


強調される「ヒーロー」と「ヒール」

 

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本作はゲームプレイだけを追ってもかなり本格的な作品であるが、一方で「ヒーロー」と「ヒール」のロールプレイを重視する作品としてみても、実に魅力的な作品と言える。

まず、FPSにおけるロールプレイとは何か。

かつて『Half Life』が一世を風靡したことで、「FPS」はシューティングゲームとしての面白さの他に、その没入感を活かしたロールプレイとしての面白さが見出された。

これを大々的にマルチプレイに持ち込んだのは『Battlefield 1942』であり、

ただ相手を殲滅する競技としてだけでなく、砲弾が飛び交う戦場のリアルな恐怖を体験できるナラティブの一種を実現したのである。

 

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そんな中、本作は大々的に「ヒーロー」と「ヒール」の対比を持ちかけて、この「ロールプレイの面白さ」を大きく拡張した。

まず、本作はハンターが4人に対し、「ヒール」となるモンスターはたった1人。

いくらゲームバランスとして調整されているとしても、「ヒール」となるモンスターの心細さは尋常ではない。

まして、序盤はハンターが嬉々として追いかけてくるわけだから、いかに逃走するかという戦略に加え、ホラーゲームのような「狩られる者」としての恐怖感を味わう事ができる。

だからこそ、息も絶え絶えに逃げ切った末に、改めてハンターに復讐する快楽はひとしお。散々苦しめてきた「ヒーロー」たちを、無尽蔵の暴力で蹂躙するのだ。これぞ「ヒール」の特権と言えるだろう。

(これは『TF2』で、勝負の後に相手チームを虐殺するノリに似てる)

 

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また、モンスターがTPS視点でプレイするのに対し、ハンターがFPS視点というのもいい。

当然プレイヤーは人間であるから、ヒーローたるハンターの方に感情移入しやすく、FPSで遊ぶ臨場感は大きい。

 

一方、ヒールたるモンスターの方は、「強大なヒールを自在に操る」という一歩引いたカタルシスを楽しむために、モンスターの異形さを常に確認できるTPSの方が適していると言えよう。

もちろん、たった一人のモンスター側の戦力を調整する、ゲームバランスとしての側面もある。


重すぎる責任とバランス調整

 

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ただどうしても気になるのは、バランス調整の不足だ。

これほどに変則的なルールと、ロールプレイのダイナミズムが強調されている以上、この点に突っ込むのは野暮だと思うのだが、それでも気になる点は多かった。



例えば、ハンター側は「Trapper」が強すぎて、逆に他のクラス、特に「Assault」が全然面白くない。

このゲームでは、モンスターはハンターより移動速度が早く、そのためには「Trapper」がArenaというアイテムを展開し、モンスターの移動範囲を狭めて捕縛しなければ、戦闘すら起こらないのだが、

タイミングや連携も相まって、モンスターを捕縛することはそこまで簡単ではない。にも関わらず、捕縛に失敗すると延々モンスターはマラソンして強化し続けてしまう。


同じようなバランス調整は『L4D』にもあって、あちらは感染者側の「Boomer」と「Charger」に重い責任が課せられていた。

確かにある程度のアンバランスさは必要だが、常にギスギスしては仕方ない。やはり責任は全員にある程度は分散させるべきだと思う。(責任が軽ければいいといのではない)

とまぁ、少し不満点はあったものの、今後の調整でとうとでもなるだろうし、アップデートやDLCで更にゲームプレイの幅が広がるかもしれない。

 

せっかくの新作FPSだ。まだ人が集まっているうちに参戦してみてはいかがだろうか。