ゲーマー日日新聞

ゲームという文化を、レビュー、攻略、考察、オピニオン、産業論、海外記事の翻訳など、複数の視点で考えるブログ。

【評価】『FF15』の感想やレビュー 辛いのは俺だ

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ネタバレはありません

追記:筆者のクリア状況(普段はアンフェアなので書かないが、思ったより拡散されたので特別に)(うろ覚えだけど)

・総クリア時間30時間程度

・エンディングまで攻略済み、マップはほぼ踏破、サブクエストは大半のユニーククエストを攻略済み(コピペの討伐クエスト、アダマンタイマイを除く)、収集物は道中で拾った分だけ、遺構ダンジョンは未クリア、王の墓所は全クリ、映像作品は両方とも視聴済み(ただしFF15クリア後)

 

 

 

 

待望の新作

『FF15』は発表から事実上10年という期間を経て、発売に漕ぎ着けた作品だ。まずはその点に賛辞を贈りたい。

物語は主人公ノクティスが、ヒロインのルナフレーナとの結婚式に出席するため、旅路を出発するところから始まる。

しかし、道中でノクティスの故郷ルシス王国は、ニフルハイム帝国により襲撃され、ノクティスは王国奪還のため、神々との修行の旅に出る。

シリーズおなじみの神話・帝国・英雄の三竦みの衝突といえばわかりやすいだろうか。

 

それなりにシビアなバックグラウンドがありながら、ゲームプレイそのものは牧歌的だ。主人公と仲間3人は専用車レガリアに乗り込み、世界を自由に冒険できる。

砂漠や森林といった自然、その間には街が転々と存在し、街でクエストを受注してモンスター狩りに出たり、遺跡を散策して王の武器を探すことも出来る。

ゲームプレイそのものは『キングダムハーツ』に近い3Dアクション。通常攻撃と瞬間移動のシフトブレイクを軸に、補助的にアイテムや魔法も使って戦う。

 

「車・キャンプ・料理」がゲームプレイとロールプレイを進化させた

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本作で特にフィーチャーされた面は「車」「キャンプ」「料理」を中心に据え、大きく進化した「ゲームプレイ」と「ロールプレイ」だ。

 

本作では移動には専ら車を利用するが、なんと昼間なら常に仲間のイグニスが自動で運転をしてくれる。これにより、プレイヤーは移動中に景色を眺めたり、単純にゲームプレイの休憩が出来る。

またキャンプについて。本作では昼間と夜中のギャップが激しい。夜はただ視界不良になるだけでなく、シガイと呼ばれる強力なモンスターが道を阻む。

最後に料理。本作では街中やキャンプで食事を摂ることが可能だが、本作は食事に高級な素材や多額の金銭を問われる代わり、効果は絶大なものとなっている。

 

以上のような、車・キャンプ・料理は極めて新鮮で戦略的なゲームプレイを、FF15に落とし込んでいる。

加えて、プレイヤーにリアリティを与えることで、ロールプレイとしても格段に興味深いものへ進化している。

 

車の自動運転は確かに素晴らしい改善だ。オープンワールドといえば車だが、移動中にキャラクターが会話しても、運転に集中する余り聞き逃すか、事故を起こすのが頻繁だった。

だから、適度に冒険する感覚を与え、かつプレイヤーの手間を取らせない点で優れている。

同じ自動化という点で、仲間のプロンプトによる自動の写真撮影も逃せない。

仲間が勝手にゲームプレイの写真を撮ってくれるのだが、日の終わりに意外な視点や旅の回想ができる。

 

 

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ランク⑩<夜は死ぬ

 

キャンプと昼夜の要素も楽しい。大半のゲームでは飾り同然の昼夜だが、本作では日が暮れると突然難易度が上がるので、いかに日中にクエストを終わらせ、宿泊地に帰るかまで考えさせる。

更に、「旅」をしている「ロールプレイ」において、この昼夜は大きい。夜になればシガイに襲われる恐怖が、プレイヤーをゲームの世界へ引き込み、旅をする実感を湧かせる。

これは『Minecraft』のアドベンチャーモードを思わせる。時間経過という現実にある自然現象が、直接プレイヤーの生存に関わることで、生き残りを通したスリルを与える。

 

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料理も見事だ。料理要素はこのタイプのゲームには定番だったが、ほとんど飾り同然の効果で、それよりポーションをがぶ飲みした方がマシだった。

本作の料理は、先述の通り効果が大きく、体力や攻撃力が1.3倍になるなんてザラだ。しかし、効果に応じて材料や費用も大きく、その後のクエストで投資を回収しようとする意気込みにも繋がる。

同時に、やはりロールプレイ面でこの要素は大きい。「うまそうな料理=強力な料理」を得るためには、それだけ強い敵の素材や多額の金銭が問われるのもシンプルで面白い。

旨いメシを食したいのはプレイヤーとて同じであり、思わず気合を入れてベヒーモスの肉を探してしまう。

 

かように、「車・キャンプ・料理」と、それを支える昼夜システムや美しいマップを組み合わせた、オープンワールドにおける「ロールプレイ」と「ゲームプレイ」の進化は素晴らしい。

オープンワールドのゲームはとにかく、ゲームプレイそのものがダレがちだ。

ゲームがプレイヤーの自由を尊重すれば、それだけ緊張感がなくなり、まるで神のように自由に動ける。その接待は、ゲームプレイにおける没入感と戦略にとって枷となる。

車の簡易移動、キャンプや料理のリスク・リターンは、正にこのコンフリクトへの答えだ。

面倒な点を、より簡易にするか困難にしてメリハリをつけ、プレイヤーに選択の余地を与える。

 

画竜点睛を欠いた全体的なクオリティ

が、これまで述べた素晴らしい美点は、約20時間に及ぶゲームプレイのうち、せいぜい10時間くらいしか反映されない。

残る10時間は、かつてないレベルで悲惨なゲームプレイであり、ロールプレイである。その理由は、以下の点に尽きる。

 

・ありとあらゆる面で低品質のストーリー・プロット

・上記のゲームプレイが一切反映されないチャプター7~15

・実は行動が制限されているチャプター1~2(つまりまともな部分は3~6だけ)

・基礎は良いがバランスと詰め込みがガバガバなゲームプレイ

 

それぞれ見てみよう。

 

ありとあらゆる面で低品質のストーリー・プロット

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とにかく酷い。個人の好みという分水嶺を大きく逸脱し、退屈なこと極まりないストーリーは、既にプレイヤーを苛立たせ、プラスをマイナスへ押し下げる、もはやゲームの「癌」になっている。

詳細については、以下の記事が詳しいのだが、ここでは私自身の見解も載せる。

まず脚本にはミクロな脚本とマクロな脚本がある。

 

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常に怒られるけど、怒られて何か変わることは殆ど無い。

 

マクロな脚本、という点で、本作はシリーズ恒例の、神話と帝国、そして選ばれし主人公たちの戦いが描かれる。

だがこの点、驚くほど面白みがない。神話について、確かにリヴァイアサンやバハムートたちはカッコイイが、本当にそれだけで、神話はただ主人公を挑戦し、力を与えるだけの存在だ。

主人公たちが何故勝利すべきか、その点の描かれ方も「王故に」「星を守るため」という、従来の『FF』の「建前」そのままで、一方的にご都合主義的に描かれるのみだ。

従来はその「建前」とのギャップが常に描かれた。例えば『FF13』の場合、神話は常に主人公たちの生き様に直接挑戦してきた。ライトニングが独善的に動き、サッズが自暴自棄になった時、始めて彼らに試練の機会を与えた。

だが、『FF15』は最初から神々の協力は取り付けられ、それはどこまでも「王様だから、正統だから」という点に収斂する。こんな権威主義的な物語が、かつて初代『FF』以外にあっただろうか。

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これだけ王国がすごいって話されて、肝心の王城がまんま都庁なのはちょっと面白かった

 

帝国も言わずもがな。圧倒的な描写不足であり、何が帝国を暴走させ、いつの間にシガイと関連したか、何一つとして明らかにならない。特に後半において、これほど脅威にならない悪役はいないだろう。

では王国は?こちらも同様。具体的に、王国が何を目指し、何を求め、父親と主人公にどんな関係があったのか、これが「一切描写がない」

なぜ帝国が悪で、王国が善なのか、ないしは、主人公が(ピカレスク的に)何故王国に加担するのか、一切必然性がない

もう『Skyrim』のストームクロークと帝国ぐらい必然性がない。ならいっそ、帝国か王国か選ばせて欲しい。

 

最後にいちばん重要な主人公たちの「絆」。これも虚無そのもの。

何故彼らが仲良いのか、幼少期のエピソードからキッカケまで何一つ描写がなく、何故彼らがノクティスに仕えるのか、説明もなければ、何か思わせるものもなく、かといって陳腐な彼ら「絆描写」から無言の美徳も感じない。

確かに、歴代『FF』にも賛否両論のキャラはいた。それでも『FF10』のティーダは過酷な運命を乗り越え、『FF12』のオイオイヨは自分とは違う生き方で支える仲間がいて、『FF13』は神々と戦うプレッシャーに抗った。

でも『FF15』は?気楽にドライブして、ひたすら同調してくれる仲間がいて、たまにヒステリーでキレる主人公とゴリラがいて、しなをいくら進めても成長しないではないか。

そして無数の脇役たち。ヒロインのルナフレーナを始め、色々キャラは出てくるけど、気付いた時には退場していて、物理的にも精神的にも主人公に何も影響しない、空っぽの存在だ。

 

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すっごい仲良さそうだけど、ゲーム中に全然こんな態度出してなかったよね?

 

ミクロな脚本ではどうか。これはハッキリ言って、特定の嗜好向けの安易なポルノと言う他ない。

4人の仲間は常につきっきり、うんざりするほど「仲良い描写」があるのだが、もはやそっちの趣味としか言い様がない異常さがある。

合宿なりで、毎日顔を付き合わせて友人と生活したことがある男性なら、こうもお互い気を使い、間を絶やさないようにすると後々疲れて続かないことはご存知のはず。

 

彼らはベタベタするほど仲良いのだろうが、お互い常に名前で呼び合い、景色を見れば「キレー」→「あれは○○山というそうだ」とか、「暑いわー」→「だな」とか、本当に仲良いとは思えない空虚な会話。

常に4人の距離感は平等で、カップリング(?)が成立するのを避けているんだろうか?彼らは違和感バリバリの語呂や言い方の違いはあれど、性格はイグニスを覗いてはほとんど同じようで、個性もない。

わざと個性を出してないとするなら、まるで大学のサークルの新歓のようなぎこちなさだ。

先程、自動運転で会話が楽しめると述べたが、ハッキリ言ってその会話が空虚だから救えない。

『GTA』なら? 車に搭乗する人物は距離感が異なり、仕事(クエスト)の内容や背景を語ってくれる。『Mafia3』なんて最高だ。60年代を舞台としているだけに、公民権運動やベトナム戦争の恐怖を語ってくれる。

だが『FF15』はいいとこ「日常系美少女アニメ」だ。私はこれらの作品群は良いと思うが、何故『FF』本編でする必要があったのか。そういう顧客を狙うなら、最初から外伝を作ればいいのにと、脚本家のエゴを感じずにいられない。

 

さりとて、「ストーリーは必ずしも重要でない。他が良いならそれで良い」と考える人もいるだろう。

かの『DOOM』の第一人者ジョン・カーマックは「ビデオゲームのストーリーなどポルノ映画のストーリー程度で良い」と言葉を残したが、たしかにこれは賛同だ。

『DOOM』は崩壊した火星基地でエイリアンを殲滅するFPS。一応エイリアンが仲間の仇だが、これは建前同然で、要するに銃を撃って敵を殺しまくれば楽しいのゲームだ。

 

さて、『FF15』はどうか。

うんざりするほど「絆」や「王家」を全面に押し出し、長いムービーや強制進行のクエスト、会話の垂れ流しが行われ、ストーリー主導でゲームプレイが制約される以上、「ストーリーがコケれば、ゲームもコケる」のは当然である。

何より、ボリュームが少ないと、中身が薄いでは意味が違う。単純でも奥深い世界を作るストーリーはインディーズでいくらでもあるが、『FF15』の場合、あれこれ設定を押し付けておいて空虚なため、全く筋が通らない、混乱させるだけの脚本になっている。

つまり、本作の脚本の一番は、ただ辻褄が合わない、リアリティがない以前に、何にしても「ない、ない、ない」尽くしの、スッカスカの脚本にあり、ここが「個人の好み」という分水嶺を逸脱する根拠になっている。

*1

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本当に男4人である必要はあったか?アラネアやイリスの魅力が際立つだけに、余計疑ってしまう。

 

誰がこんな脚本にGOサインを出したのか(ネタバレ:板室沙織氏)

 

まともに機能していない構成

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とても美しいけど、実は迷いやすいだけの一本道

 

最後に構成について。これは目次の通り「チャプター3~6」を除いて、『FF15』の美点は一切機能しない、という点である。

どれくらい機能していないかというと、具体的にチャプター7で何故かPTのメンバーが減り、チャプター8の時点で「車・キャンプ・料理」そして一切のオープンワールド要素は消滅する。

即ち、チャプター1~15までの間、半分はこのゲームのフィーチャーはほぼ消失し、ただの劣化『キングダムハーツ』風のアクションゲームになるのである。

この衝撃だけで、『FF15』は今年一番印象に残るゲームになってしまった。

 

確かに、どのゲームでも、つまらないレベル(面)とそうでないレベルはある。多少の強制進行もあるだろう。

が、それがチャプターの半分となれば、開いた口が塞がらない。それまではボリュームがあったか?全くそんなことはない。

詳細は後述するが、街は一つだけ、残りは集落。自然もコピペ丸出しの砂漠と森林が大半で、王の墓所だけがユニークスポット。サブクエストは大半がコピペで、無言でモンスターを狩るだけ。ユニークなものはレガリア改造クエストぐらい。

どう考えても「予算も期間も足りなかった」という尻切れトンボ具合で送り出されており、

逆に、並のゲームの数倍の気合で作った序盤だけ遊んで、「最高のゲーム!」と喜ぶのは当然であろう。

 

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何の脈絡もなくステルス入れて緊張感が生まれるとでも?

 

とは言え、まぁチャプター9までは、まだ楽しめる。問題はチャプター10からで、何故かゲームを進める度に、プレイヤーの取りうる選択肢が減り、当然退屈になる。(ネタバレになるので詳細は避けるが)

更にチャプター13にまで至ると、謎のステルスゲームが始まり、これが妙に不便で困難。正直どのボスよりこのステルスの方が面倒だった。

正直、このミニゲームが大半のチャプター13をクリアしない限りエンディングに辿り着けない、というだけで本作を「良作」と評価することは不可能である。『FF10』で「雷避け」を全部クリアしないとエンディングが見れなかったら、誰一人支持しなかっただろう。

また、インタビューを読む限り「喪失」はゲームプレイを犠牲にしてでも描きたかったストーリーらしいが、個人的に最初から戦闘以外では静かになってむしろ助かった。

誰がこんな構成にGOサイン出したんだろうか。(ネタバレ:田畑端氏)

 

基礎は良いがバランスと詰め込みがガバガバなゲームプレイ

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先ほど、「車・キャンプ・料理」が、単に雰囲気だけでなく、ゲームプレイの駆け引きに直結すると述べた。

だが現実には、これをベースに「何をするか」が、実はとても空虚。大半はモブハント(サブクエスト)をこなすのだが、これが非常につまらない。

一部のレガリア・武器改造・ユニーク系を除き、特にストーリーもなく、特に演出もなく、『FARCRY 2』以上のお使いクエストを、本当に淡々とこなすだけ。

報酬は大抵現金と消耗品だけで、強力なモンスターから素材を奪っても、ほんの一部以外は売却か料理にしか使えない。ハッキリ言って、写真家と改造クエストだけこなしてれば、何不自由なくゲームが遊べる。

 

本作のプレイ時間の大半は戦闘で費やすが、この点も評価を分けている。

基礎部分は確かに良い。通常攻撃、ドッジ(パリィ)、シフトブレイクを中心に、ファントムソードやアイテム、魔法を使い分けることが出来、これだけなら『Witcher 3』等の大半のRPGより多様な選択肢がある。

だが、まず問題が仲間のAIが悪く、しかも元々役に立たない、という点。仲間は消費型の支援コマンドか、特定のアイテムを渡さない限り、イノシシの如く突撃しては死ぬ。

かといって、コマンドは基本的に各キャラ一つで、どれも工夫のないDPSスキルばかりなので、コマンド中の無敵時間を活用して攻撃を回避するぐらいしか工夫がない。

更に、仲間を肉壁とする前提なためか、主人公が驚くほど打たれ弱い。そこらのMOBにも2~3発もらうと撃沈するので、必然的にシフトブレイクとドッジを使ってゴリ押しするしかない。

 

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後半はひたすら「痛い・硬い」。

 

オマケに、主人公が打たれ弱すぎるためか、シフトブレイクとドッジをめちゃくちゃ強力にすることでバランスを取っており、控えめに言って連打してるだけで死ぬことがなくなる。

こうなると、戦略どころではない。基本はダメージの出るパリィ(ただし一部の技しか対応不可)で、それ以外はドッジで僅かなダメージを稼ぎ、MPが切れればマップシフト。当たれば数発だが、回避技が鬼のように強いので、緊張感はないが理不尽さだけはあるという有様。

トドメに、回復アイテムがほぼ即時発動、しかも安価ということで、これのゴリ押しさえあれば、最低レベルの難易度(というかゴリ押しゲー)に落ちる。

 

オープンワールドを舞台としたモブハント、そこで繰り広げられる戦闘。いずれもベース部分は『FF』の名に恥じない素晴らしいものだったが、実際にそれを拡張してゲームとして成立させる部分で、クオリティが下がるのは大変惜しい。

実際のところ、平凡だが納得のいくゲームプレイと、意欲的だがバランスの欠けたゲームプレイなら、後者の方が作ることは困難だし、開発陣もわかっていたはず。それでこうなったのだから、残念だ。

 

公式による事実上のベータ宣言と総評

総じて、批判的な内容となってしまい、個人的にも公開することを避けようかと思っていた。それでも、私はこのニュースを読んで、公開に踏み切らずにいられなかった。

今回は500万本突破への感謝の気持ちとして、アップデート計画を当初の予定を大きく超えたものに強化し、皆さんに具体的なロードマップをお知らせすることにしました。

舐めてんのか?

「感謝の気持ち」「当初の予定通り」と称して、内容は散々叩かれたストーリーの補完、13章の補完、ニューゲームの実装、既存の内容へ”修正”の嵐。要は公式による事実上の有料ベータ宣言。

完全にバカにしている。どう考えても、容易に想像がつく欠点を散々発売を引き伸ばしにしても改善せず、挙句フルプライスで購入し最後までプレイした、時間と労力を捧げたゲーマーが遊んだ『FF15』は未完成だったと突きつけた。

ハッキリ言おう。FF15開発陣にプライドはないのか?改善するだけマシだと?では何故予定日が決まっていない?何故延期を続けた?そもそもこれは改善でなく発売日前にすべきだった修復だろ?(因みにkotakuは「オレたちがベータテスターだった」と報道)

そしてこの誠意。「極上クオリティをお届けするから延期する」とのたまった癖に、発売日にプレイしベータ版のクソみたいなエピソード13やストーリーを味わったプレイヤーに、謝罪の一言もない。

その上、あくまで「更にリッチ」「感謝の気持ち」といって、『FF15』は現状で完成していると開き直っている。

継続的に遊ぶサンドボックス系やマルチプレイ系はともかく、一本道RPGでパッチを待ってもう一周プレイする信者ばっかだとでも思ってんのか?

自分たちの落ち度をもみ消し、むしろ驕り、既にプレイしたゲーマーへは何の反応もない。作品もクソだが、態度までクソとは救いようがない。

 

 

www.youtube.com

3年前のトレーラーの内容が、9割以上なかったことになってるのは正直すごいと思う。

 

これまで、批評を浴びた作品は色々発売された。彼らの反応は様々だが、現代ではSNSの存在もあり、創り手が誠意を見せ、淡々とアップデートすることで、徐々に信頼を回復することも増えた。

それでも、彼らは現場の批判に唾を吐き、「信頼の回復」どころか「僅かな売上」のため、せせこましい利益のために、こんなアップデートを計画している。

同時に、これは公式サイドが焦る程に、本作の品質が低い証左となった。ということは、皮肉としか言い様がない。

 

総じて、本作はベース部分は悪くないものの、肝心のブラッシュアップは全くといっていいほどなされず、その魅力の殆どは活かされなかった。

それどころか、陳腐な脚本はミクロ・マクロあらゆる面で本作に影を落とし、挙句の果てにチャプター8以降はこの負の面が全面に出た、ひたすら質の悪い一本道アクションを続ける羽目になる。

「杜撰」という他ない。明らかに作品として破綻しており、Steamのアーリーアクセスを思わずにいられない。そして発売後は、事実上公式が「有料ベータ」を認め、何の反省もなく何ら具体的な予定のないアップデートで、辛うじて売上を回収しようとしている。

 

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画面上の一切の部分に行けません(チャプター12)

 

皮肉なことに、本作が一番面白かったのは、発売前の盛り上がりと、発売後の一連の騒動だった。ゲームそのものは呆れる内容でも、その呆れ具合を共感する(作中の声優ですら呆れていた)点で、今年一番ユニークだった体験が出来た。

正直言って、Amazonで☆1をつけていた人たちの感想を否定するつもりにはなれない。

だがそれでも、本作に光る部分があったのは事実だ。

先述した車とキャンプのゲームプレイとロールプレイの革新は言わずもがな、残念ながら一瞬しか拝めない帝都の近未来的な街並み、基地攻略の熱い戦い、一時的に仲間になるアラネアやイリス、コル将軍たち(グラディオスやプロンプトと交代させてくれ)など魅力的な人物、歴代最高の召喚獣の演出など。

もう少し冷静に構築できれば、特に脚本をそっくり別人が作ればなど、思えばキリがないが、トータルで見て佳作ということも出来ない作品、というのは否定できない。

 

というわけで、

『キングダムハーツ3』はよ(続編は田畑端と板室沙織抜きで)

 

 

*1:因みに、私は『KINGSGLAIVE』『BROTHERHOOD』共に鑑賞したが、酷評するほどのものでなかったし、男4人旅という設定も最低限筋を通していた。特に後者を観なかったら、プロンプト憎さにクリアを断念していただろう。