ゲーマー日日新聞

ゲームという文化を、レビュー、攻略、考察、オピニオン、産業論、海外記事の翻訳など、複数の視点で考えるブログ。

何故人は対人ゲームでキレるのか その傾向、原因、対策

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このブログでも度々議論してきた「何故人はゲームでキレるのか」という問題。

せっかく貴重な余暇を費やして遊んでるゲームなのに、どうして全員のプレイヤーが楽しく遊べるわけがないのか、改めて考えたいと思う。

誰とでも楽しくやってるよ、という人には余計なお世話だろうから、対策部分については気にしなくて良い。

 

プレイヤーが衝突する原因は2つ

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世界で最もプレイヤーを抱えるとされる対人ゲーム『League of Legends』には、プレイヤーを通報する機能が存在する。この機能では、プレイヤーを以下の7つの理由により通報できる。

 

・スポーツマン精神に則ってない

 (悪質かつ受動的に攻撃的なチャット、悪質プレイ)

・プレイ言葉による攻撃

 (嫌がらせ、不適切な言葉)

・ゲーム放棄/離席

・意図的な無謀行為

 (ゲームで失敗しただけでなく意図的に敵を支援した)

・ヘイトスピーチ

・チート

・攻撃的で不適切なサモナー名

 

うち、ゲーム放棄、ヘイトスピーチ、チート、不適切な名前に関しては機械的に排除できるとして、問題は上位3項目、即ち「暴言」と「利敵行為」である。殆どのゲームにおけるバッドマナーは、この2つに大別できるだろう。

そこで、世界的に有名な『LoL』を例に、対人ゲームにおいてプレイヤー同士の衝突をどう対処しているかみていく。

 

暴言について

暴言はプレイヤーが取りうるバッドマナーの中でも、最も顕著なものだ。内容は、ゲームとは無関係な差別的な発言から、ゲーム内の行動に対する誹謗中傷、個人に向けた攻撃的な発言等が考えられる。

何故暴言を言ってはならないのか。そもそも、対人ゲームは不特定多数のプレイヤーが集まる「公共の場所」だからだ。暴言という行為は、言われた側は無論のこと、周囲の人間にとっても100%面白いことはない。

 

原因:自省する・メンタルを保つ

まず、最もよく見る暴言のパターンが、自分もゲームで上手く行かず、他人に当たり散らす人。ゲーム中に、自分がチームの足を引っ張ったという自覚があるので、その劣等感で傷ついたメンタルを埋め合わせるために、他人に責任を被せるように暴言を吐く人。

昨今有名となった心理学者アドラーによると、人間が負い目を感じる劣等感を感じた時、主に解消するため努力する、放置する、他人へ擦り付けるの3パターン存在する事を指摘している。要するに、自分の責任を自覚して、どうすれば勝てたか冷静に考える事こそ、ゲームを楽しむ点でも最も合理的だと言える。*1

決して所詮ゲームだから適当にやれ、というわけでない。むしろ熱中する程好きなゲームで、メンタルが揺さぶられるのは当然だし、それ自体は誇って良いことだ。

重要なことは、その好きなゲームで負けそうな時、メンタルを強く持つこと。そして他人を過剰に信頼せず、あくまで自分の問題として解決すること。これが重要だと思う。暴言を吐いても余計にイライラするだけ。

 

利敵行為について

意外かも知れないが、『LoL』というゲームでは、無言でもプレイ内容自体が極端に酷いと、処罰の対象になりうる。

これは主に、『LoL』のゲーム性に起因している。『LoL』の土台となったMOBA系の作品では、互いにキルする/されると、賞金という形でリソースが行き来するからだ。つまり一人のプレイヤーの失敗が、敵チーム全体を強化するため、チーム全体でゲームを動かす必要が生まれるのである。*2

こうした事情により、『LoL』では「暴言」と双璧をなすバッドマナーとして「プレイ内容」自体が問われている。敵に味方の位置を通謀する等の「利敵行為」は間違いなく最悪の行動だが、それに加え、明らかにゲームを放棄する、適当なプレーをする事自体、プレイヤーの総意として咎められるようになりつつある。

問題は、これも暴言と同じく線引が難しいことだ。明らかな利敵行為は簡単に処罰できるが、わざと手を抜いているのか、元々上手くないのか、この線引は「暴言とは何か」という問い以上に難しく、下手をすれば向上心のある初心者を処罰する事になりかねない。

 

原因:協調する・他人を尊重する

身も蓋もない言い方をすれば、赤の他人同士が集まるゲームで、下手な人は歓迎されない。これはゲームに限らず、どんな競技でも一緒。それでも初心者が歓迎されるのは、技術以前にまず一緒に遊ぶ人が必要だから。

無論、そもそも技術というのは相対的なものであり、一概に「下手=悪」では絶対にない。誰でも最初は初心者だ。ただ、「下手」なプレイが「手抜き」になり、「手抜き」が「利敵行為」になってしまっても、全てのプレイヤーが我慢できるとは限らない。

これも、暴言と同じく劣等感でメンタルが壊れ、投げやりなプレイ、へそを曲げたプレイになってしまうことが原因だと思う。重要な事は、やはり自分の欠点や失敗を認識して、ある程度は真面目に遊んでやることだ。

*3

 

まとめ

重要なことは、結局マナーは法律や規則で正せない以上、自分がどう考え、どう行動するか、というだけの指針だということ。

だからこそ、交通事故の対応のように、冷静に自分の間違いと原因を洗って対応することが精神衛生上良いと思う。対人ゲームを遊んでいて、暴言や利敵行為と一切無縁だった人は、そんなに多くないと思うし、真剣に遊んでいて他人と衝突すること自体は起こって当然だと思う。*4

なので、誰が悪かったかという議論に意味はない。どこまで行っても赤の他人なので、あくまで自分がどうするかというだけの問題。試合終了後にメールを送りつけたり、リザルト画面で言い争うのは時間の無駄だ。

また、暴言と利敵行為どちらが悪いか、という議論も意味はない。喧嘩は誰もが自分を被害者だと思うし、一度向こうが悪いと決めた人間、暴言は良くない(利敵行為は良くない)と言っても絶対に考えを改めないので。だから『LoL』のRiot社は両方罰してるわけで。

この記事で、対人ゲームで人が衝突する、主な2つの理由と傾向を知って頂き、「そういう人もいるんだな」程度に参考にしてもらえれば幸いである。

 

念のため書いておくが、私は暴言や利敵行為の是非は問わない。ただ対人ゲームは共同のスペースで遊ぶものだから、お互い最低限は尊重した方が上手く行くと思う、というだけ。

 

要約:

・対人ゲームで衝突の2パターンは「暴言」と「プレイ内容」

・暴言は自省して他人を尊重するべき

・プレイ内容は負けてもメンタルを維持して協調するべき

・バッドマナーは当人が正当化してるので、あくまで自分がどう対処するかという問題。

 

結論として、まぁイライラしてる奴はこれ観て落ち着けよってこと

www.youtube.com

 

 

備考

arcadia11.hatenablog.com

 

 

*1:万が一、客観的にどう考えても自分は悪くない味方が悪い、という事があったとしても、他人に暴言を吐いて解決する問題など一つも存在しない事は明らかである。

*2:こうした連帯責任はMOBAに限らず、多くのチーム戦の対人ゲームで取り入れられている。例えば『Battlefield』シリーズでは、戦車や航空機のような強力なビークルで戦えるが、これらはプレイヤーが降りると誰でも乗れてしまうので、自軍の戦車を敵に鹵獲されることもある。

*3:念のため、私は下手なプレイヤーを排除しろとは言ってない。ただ、何百万人というゲーマーに、「初心者に優しくしてね」とお願いしたところで、全員が絶対に了承するわけないし、彼らには彼らなりの遊び方があるよ、という話。

*4:一日何十時間と遊ぶプロゲーマーですら、配信中にバッドマナーをしてしまうことはままある。