ゲーマー日日新聞

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リマスターも来るし独断でソウルシリーズのランキングを決めてみた

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 『SOULS』はフロム・ソフトウェアから発売されているARPGで、『DARK SOULS』シリーズが基本だ。ここに、類似した作品として『Demon's Souls』、『Bloodborne』も加えて、その作品への思いをランキング形式で紹介したい。

あくまで私の主観であって、客観的な評価でも何でもないことを予めご理解頂けると幸い。因みに私は主にソロプレーで遊ぶので、対人戦等はあまり考慮していない。

 

5位:『DARK SOULS 3』

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概要:

シリーズ最後の作品。全面的に『DARK SOULS』シリーズを意識した作りで、その全ての反省が活かされている。

good:

精巧なレベルデザイン

bad:

シリーズありきの見慣れた世界観・ストーリー

いきなり5位と偉そうに順位付けたけど、このゲームもまた、間違いなく名作ARPGの一本であることは間違いない。

それどころか、フロムの作品とは思えない程に丁寧で、無駄のない作りだと思う。特にレベルデザインに関しては白眉で、最初から最後まで、ギリギリ詰みそうで詰まない絶妙な調整をしている。バグや理不尽な詰みもない。

もう一つの特徴は、フロムには珍しく「メタ的な」意識を割いた世界観だろうか。本作はあくまで『DARK SOULS』シリーズの後日譚を意識させるストーリーで、歴代主人公が火を継いだ世界がどう変貌したのか知る大筋に加え、イベントやNPC、アイテムまで前作までのオマージュ要素が強い。

この試みは興味深く、特にラスボス戦は歴代シリーズのプレイヤーなら涙なしに遊べない演出があったり、嬉しいのだが…。ただ、『SOULS』の魅力といえば、歯ごたえのあるゲームプレイと相応に硬派な世界観だと思ってるので、少し『3』は薄味といえるか。少なくともシリーズで唯一、初見プレイヤーは理解が遅れると思う。あとDLCが歴代シリーズの中で存在感が薄いか。

とは言え、本当に丁寧な作品なのだ。良くも悪くも「フロムらしさ」のないスッキリとしたゲーム。純粋に完成度だけならシリーズの中でも随一だと思う。

 

4位:『DARK SOULS 2』

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概要:

様々な人間が関わって作られたシリーズ3作目。質より量を体現したようなゲーム。部分的に粗が残っているが、その分ボリュームは最大級。

good:

マップ、ボス、アイテムに至るまで圧倒的なボリューム。

bad:

統一感のないデザイン、粗の目立つレベルデザイン、モッサリモーション。

実を言うとシリーズで最も評価が低いのではないか、という作品。事実、制作もかなり難航の末に作られたようで、初期の完成度は本当に低かった。やたらモッサリした動きや、アマナのシューティングゲームは忘れもしない。

とは言え、DLC、そして完全版で「化けた」作品だと思う。無論、初期状態で比較しなければフェアじゃないと思う人もいるだろうし、そういう批判も十分頷ける。その点『3』の方が優れているし。

だが何と言っても、シリーズの中でも稀なボリューム、多様性は評価したい。フィールド、ボス、ザコ敵、そしてアイテム。何でもかんでも「多すぎ」で、遊んでいて全然飽きない。『SOULS』は似たような景観が続きやすいだけに、このカオスなボリュームは『2』最大の魅力と言えるだろう。

特に装備品の収集が楽しかった。DLCを含めると厨二心を擽る装備が山ほどあって、それを狩るために篝火に焚べまくったのも良い思い出だ。シリーズ中ではややヌルいので、1周目はショボいが、2周目3周目とダラダラ遊ぶ上では一番楽しめた作品でもある。

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この装備集めるの苦労したなぁ…

 

3位:『DARK SOULS』

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概要:

フロムが気合を入れすぎて出来た闇鍋。むちゃくちゃなバランスと、ドス黒いテーマによって、シリーズで最も癖が強いが、その分熱狂的なファンがいる。

good:

遊んでて反吐が出るようなダークなストーリー、世界観、デザイン。特にNPC達はシリーズ随一の存在感。

bad:

特にパッチ前においては攻略・対人含めて最悪のゲームバランス

シリーズ一の問題作。このゲームには良い思い出も悪い思い出もたくさんあるが、シリーズで最もファンに愛されているであろう作品。ある意味、最もフロムらしい作品かもしれない。

まず優れているのは、二転三転する絶望に満ちたストーリーと、独特の死生観溢れる世界観。「肉体が朽ちるまで監獄へ放り込まれ」た所からゲームが始まり、神々との戦いへ静かに繋がるストーリーは圧巻の一言。苦渋、絶望、憎悪に満ちた、崩落した世界もまた美しく、いかに人間のモラルが脆弱なものか「フロム節」を最大に効かせながらプレイヤーに訴えてくる。

そこに新たに導入された、完全にシームレスなマップ移動が、ゲームの世界に説得力を与えてくれる。或いは、胸糞悪くなるような愉快な登場人物といった存在も、この「DARK SOULS」という表現を強調してくれる。

一方、純粋にゲーム部分だけ見ると、シリーズの中でも特に劣悪(私は発売初期からプレイした)。「強い魔法の盾」とか「平和の歩み」とかバグ同然の壊れスペルがあり、特に対人戦はまともにマッチングしないこともあって、誇張抜きでクソゲーだった。

それらが修正されて尚、バランスは歪。犬のデーモンこと「山羊頭のデーモン」や半分運ゲーになる「混沌の苗床」とか、難しいというか、単に理不尽な難所が多いし。逆にプレイヤー側も、ちょっと墓場を走り抜けたら「墓王の剣(通称ニト剣)」という初期じゃあり得ない火力の武器が手に入ってやたらにヌルくなったり。

一言で表すなら「カオス」、そんなアクの強いゲーム。それでも本作はとにかく強烈で印象深い。現代じゃ中々遊べないような挑戦心に溢れたゲームと好意的に解釈して、ここは3位にした。

 

2位:Bloodborne

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概要:

正気で遊ぶことは叶わない、リビドーとタナトスのゲーム。

good:

無意識に眠るあらゆるリビドーを炸裂させる強烈なテーマ。ハイテンポなアクション、センス抜群の武装、狂気と真理に満ちたセカイ。ゴシックの廃墟を血に染めて「真理」に近づける、完成され尽くした塩梅。「バブみEND」の存在。

bad:

我らが主の声が届かぬ無知蒙昧な者を拒絶してしまうテーマ(癖の強すぎて一般人には意味不明)

このゲームを『SOULS』シリーズに加えることは最後まで迷った。確かに基礎的のノウハウは当該シリーズの影響が強いのだが、目指す所はまた別の領域にあったと思われる。まぁファンも多いので、便宜的にシリーズに含めて比較してみようと思う。

 

で、このゲームの素晴らしい点は、アクション、ストーリー、世界観、技術的な諸々を含めて、極めてバランスが良いところである。

「獣狩りの夜が始まる。」というキャッチコピーと共に、想像されるのは鮮烈な「狩り」である。19世紀のゴシック調の街並を、己の炸裂するリビドーと共に「獣」たちの血と臓物で染め上げ、青ざめた血を持つ「上位者」たちに接近するというテーマ。

余りに、バイオレンス。余りに、グロテスク。今までの『SOULS』の既存の数多の王道RPGにおける文脈を元に丁寧に作り上げたものとはまるで別物。どんなゲームにも眠る暴力を、際限なく増幅させ、それをよりによってコズミックホラーに結びつけるセンス。圧倒的と言わざるをえない。

そしてそのテーマを、持て余すことなくゲームプレイとして完成させている。退廃的な美を持つ街や、本当に救いようのないストーリーもさながら、全てを殲滅する「狩人」の体験を再現した、高速にして無駄のない、高難度にして爽快感のある戦闘。ノコギリ刀で肉を割き、敵の攻撃をステップで回避し、眉間に散弾をぶち込む快感は、『SOULS』シリーズになかった暴力体験だ。

更にそこへ一般的にクトゥルー神話等で知られるコズミック・ホラーをぶちまけ、あまつさえ、その恐るべき「上位者」たちさえ片っ端から惨殺し、喰らいつくし、それをも超越しようという、常人の理解を超えたストーリーも、絶品の一言である。

そしてそれらが、過不足なく混じり合うことで、本作は「悪夢を見るゲーム」として完成されていく。そこにはもう、ARPGなどという、チャチな括りは存在しない。

 

このゲームプレイは余りにも強烈で、忘れ難いものだった。唯一欠点として、他の作品より周回した時の印象が薄れると言えなくもないが、一周目を存分に楽しむ上で、本作以上のものはない。

本作をプレイしている時、のめり込めばのめり込む程、自分もまた「狩人」になって情動が抑えきれなくなってしまうのではないかと錯覚するほど、熾烈にして完成された逸品。さぁ、一緒に「青ざめた血」を求めよう。

 

且<ゴース…或いは…ゴスム… 我等の祈りが聞こえぬか… けれど、我らは夢を諦めぬ! 何者も、我らを捕え、止められぬのだ!

且<ウワァアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァ!!!!!

 

1位:Demon's Souls

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概要:

・基本的にこのシリーズで「やりたかった事」が最も高い水準でまとまっている。フロム、SCEという大ベテランの2社が互いの魅力を引き出し合う形で完成した奇蹟の合作。

good:

・『SOULS』シリーズ、そのフォロワーに至るまで引用されてきた数々の画期的なノウハウ。ARPGとしてあらゆる点で完成度が高い。

bad:

・オンライン要素は不安定。

やっぱり最高傑作というとこれかなと。オンラインサービス終わるらしいので久々にPS3引っ張り出して遊んだけど、文句なしに『SOULS』シリーズで最も「やりたかった事」を実現できている感じ。

本作は『SOULS』の元祖なんだが、後の『DARK SOULS』シリーズとは制作の経緯からして異なっていて、基本はフロム・ソフトウェアが作っているけど、制作自体にもSCE(ソニー)が携わっていて、要はソニーによるPS3主力タイトル開拓路線と、フロムの新規IPの模索という利害が一致して二人三脚で作られた作品ということ。

だから、「フロムらしさ」という癖がない。発売当初はマゾゲーと評価されたけど、いざ遊んでみるとある条件を満たさない限り、ARPGに慣れたゲーマーなら簡単に攻略できる難易度で、理不尽な部分はあまりない。ベテランのSCEによる調整が効いていると考えて良いだろう。*1

 

だけど決して没個性的というわけじゃない。むしろ、強烈な世界観、ユニークなストーリーは顕在、多様性のあるビルド、歯ごたえのあるアクションは、シリーズ最高峰と言ってもいい。

このどれをとっても、実にニュートラルだからだ。フロムの持つセンス、SCEの持つ経験。それぞれを見事なバランスで整えている。

世界観も「ボーレタリア王城」感情移入しやすい中世欧州をリアルに出しながら、「塔のラトリア」や「腐れ谷」では狂気を見せたり、敵のボスにも「マンイーター」のようなガチガチの強敵を用意する一方、「塔の騎士」や「ファランクス」のような一つのアイディアで突破出来るパズル的なボスもいたりと、多様性に富んでいる。

そして言わずもがな、独特な「ゆるいオンライン」を目指して作られた、ファントムや血痕、メッセージといった要素、今後『SOULS』、引いては多くのARPGが模倣する数々のシステムも、殆どが本作から生まれたという新規性も評価すべきだろう。

これほど丁寧なゲームを遊んだのは久々だった。評としては平凡なものだが、本作が最高傑作と評する最大の理由は、純粋に完成度が高いためである。無駄がなく、必要なものだけで作っている。

 

まぁ、いくつか問題がないこともなく。ソウル傾向は場合によっては詰むこともあるとか(サツキお前許さんからな)、オンラインでは平然とバグ技が横行しているとか、あと純刃出ないにも程があるとか、苦い思い出もあるのだが。

ゲームとしては難しくも達成感があり、マップは探索の甲斐がありながら多様性があり、ストーリーには儚くも説得力があり、世界観は美しくも陰りがあり、システムは使いやすくも新規性があり、アイテム蒐集にはボリュームがありながら個性があるという、欠点らしい欠点のない傑作。

数々の名作を輩出した『SOULS』シリーズにおいて、至高の作品であることを認めざるを得ない。逆に言うと、このゲームで「やりたかった事」を出しすぎて、後輩が苦労するのも必然だったと言えるか。

 

(T )<え?それお前の思い出補正だろって?

 

(T )<貴公…

 

(T )<そんなに死に急ぐこともあるまいに…(ダイスンスーン)

 

 

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            However.the Nexus traps you.
                You stay in the world as Soul.forever 

 

 

 

*1:ただし周回最黒マンイーターは除く