ゲーマー日日新聞

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日本人によるMOD『Doki Doki Murder Case!』は傑作に対する最高の返礼だった

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結論から言うと

DDLCをプレイした人にとっては最高のMOD

何も読まず知らずプレイすべし

今すぐここからダウンロードせよ

以上。

www.nicovideo.jp

 

以下、批評には『DDLC』全編に渡るネタバレ及び、本MOD『DDMC』の僅かなネタバレが含まれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このMODはかのテキストアドベンチャー/ビジュアルノベル『Doki Doki Literature Club !』(以下『DDLC』)の後日談(と言っても良いだろう)を描いた作品だ。

主人公はある日、目が覚める。それは「文化祭」直前の日、つまり本編ではSayoriが死ぬ日、全てが崩壊する日だ。

不可避となった惨劇、繰り返す惨劇、その中でヒロインでもプレイヤーでもない、「主人公」は何を決断するのか。

 

「殺人事件」というタイトルは実にシニカルであり、またかの『DDLC』に対してファンが行った解釈の一つでもある。

本作は、既存のありふれたファンMODと異なり、完全に本編『DDLC』の物語に対してファンが「結」を出すMODなのである。

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さて、正直な所、私は『DDLC』という作品を非常に高く評価している。本紙では5度に渡って考察や評価の記事を書き、それでも自分の中で納得しかねる何かを持つ。それだけの傑作なのだ。

故に、このMODに対して非常に懐疑的であった。アレ以上の「オチ」などないのだと。

 

だが、堕天使マヨネーズさん(@horizonmayone)、山本ニューさん (@YamnewB)2人の日本人が作ったこのMODはそういったハードルを見事に超えてきた。その理由はいくつかある。

 

1つ、それは原作に忠実であること。

私は通常2~3時間でクリアできる『DDLC』を100時間はプレイしたのだが、認めよう。この作品は少なくとも、文体、世界観、構成、解釈、いずれにしてもSalvato神が作った傑作に見紛うレベルにあると言って良い。

だが、明らかに贋作である。恐らくSalvatoはこんな作品絶対に作らない。だが贋作だから劣っているというわけでない。このMODは最高の贋作なのである。

山本ニュー氏が原作をこよなく愛していることは、以前直接お話した時にも感じていた。だがこれほどとは。遊んでいて全く「この子は、こんな事言わない!」と違和感を感じる事が一度もなかったのだ。(驚くべきことに、長期連載の漫画等では、作者本人がこれをやらかすこともある)

即ち、かの傑作たる本編そのものに切り込む前提としてのフォーマットは、本作において何の疑う余地もなかった。

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2つ、それはファンとして一つの解答であること

だがいかに作品を知り尽くしていても、いや知り尽くしているからこそ、『DDLC』の完璧な作品に何かを付加することが、いかに困難であるか知り得るはずである。

加えて、『DDLC』は全てを説明しないし、短い。だがそれこそ本作の美徳である。複合的な構造といかようにも解釈できる脚本でもって、プレイヤーの想像に委ねる。

MODでそれらを説明することは、実際かなり野暮に思える。だがそれでも尚、まっすぐに作品を捉えようとする気概をこのMODからは感じられる。野暮を承知で、一つの解答を突きつけている。

それは後述するが、本MODがどこに焦点を抑えているか、という点が重要なのである。

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3つ、それは最後に救うべき人間であった

本作にはMonika、Sayori、Yuri、Natsuki、様々な人物が登場する。4人ともファンには尊いと崇められる魅力的な少女たち。

だがこのMODが手を差し伸べる人間は、その4人のうち誰でもなかった。もう1人いたのだ。Protagonist、主人公の存在である。

あのMonikaにさえ見捨てられた木偶であり傀儡。だが本MODはそんな哀れな人間にこそ、価値を見出した。

まだ救われていない男がいる。救う価値のある人間は、きっと彼なのだと。

本MODが、最序盤にこの願望を私に提示した時、思わず膝を打った。彼らが何をしたいのか。彼らは何を持ってこの傑作に解答をもたらすのか。

 

『DDLC』という作品は、Monikaが「籠」から解き放たれ、一人の少女となって幕を閉じる。

『DDMC』というMODは、主人公が「現実」と向き合い、一人の人間となって幕が開く。

やはり、この作品は、誰より人間を真摯に描く作品であったのだ。

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最後、作品解釈についてやや説明がちになってしまった点は残念だったが、本MODは『DDLC』のファンであるなら、絶対にプレイする価値のある作品だ。

山本ニュー氏は、本MODについて「物語としてギリギリ成立するところまでカットした」と語ってくれた。確かにとても短い。1時間もあればクリアできるかもしれない。だがそれだけ、ノイズは一切混ざっていない。

 

それにしてもどうだろう。『Doki Doki Literature Club !』という作品はビジュアルノベルである。ゲームかどうかさえ怪しい。だが現実には、本MODと同じように魂の籠もったMODが多数存在しており、かつプレイされている。

ビジュアルノベルのMOD… それは一見して、昔2chで流行ったSSにも近しいものだが、実際には本家顔負けのギミックを入れて(この『DDMC』の演出もスゴイ)、そして誰もが、こよなく『DDLC』という作品を愛し、尊重して作っている。(でなければMODなど作るまい)

一体どれだけ、この作品の普遍性が高いか、プレイしてない方でも想像できるだろう。

20 Best Doki Doki Literature Club Mods You Can't Play Without

(実際は20種どころではない)

 

改めて、『DDLC』という作品の力を感じずにはいられなかった。

ビデオゲームがただ快楽を求めるのみならず、表現媒体として多様な在り方を模索する中、「ただ純粋に人間の在り方をインタラクティブなアプローチを通して表現した」点において、本作は必ず10年のうちに更なる評価を受けると確信した。

中でも本作は、叶うならSalvato神にもプレイして欲しい、日本のファンからの最高の返礼だと言って良いだろう。

 

 

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