ゲーマー日日新聞

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ゲームレビューにスコアは不要らしい

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Twitterで「ゲーマー日日新聞のゲームレビューでスコアを導入すべきか?」とアンケートを取った所、中々興味深いことに。

229票のうち、72%が「点数はいらない」と答えて頂いた

逆に言うと、スコアが欲しいという方は3割にも満たないと思う。では一体何がそこまでスコアを忌避させるのだろうか。

 

欠点①:スコアの根拠や水準の難しさ

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まずスコアの大きな欠点は、そのスコアの蓋然性を維持することが非常に困難な点である。

そもそも、数字は一見して客観的指標でありながら、その根拠はなんだろうか。加点法か、減点法か、同じ魅力でも+5点の魅力もあれば+1点の魅力もある。他のゲームと比較してもちゃんとその客観性は保てるのか?

その数字を付ける上での水準は、誰にもわからない。フィギュアスケートのISUジャッジングシステムのレベルまで徹底しろとは言わないが、ここで読者を納得させるスコアは中々出せない。

更に言えば、数字にすると見えない個性はたくさんある。例えば美麗なグラフィックだがゲーム性が凡庸だから「7点」というのと、極めて個性の強い作品だが人を選ぶから「7点」では、同じ「7点」でも全く意味が異なる。

 

また、まだゲーマー日日新聞という個人(という建前)が運営するサイトはまだマシだ。大手ゲームメディアのように、複数のライターが数字を使うと明らかに統一しきれず、数字は途端に胡散臭くなる。

つまり、やたら高得点を付ける甘口ライターと、まばらな点を付ける平均的ライターがいた場合、同じ数字でも一貫性がない。

無論それはライター毎の嗜好や基準があるから仕方ないんだが、それを「ファミ通のレビュー」「IGNのレビュー」として読む人にとっては、とんだ「裏切り」に思えてしまう事がある。現にメタスコア等のサイトではライター名が表示されないのが良い証拠だ。*1

その結果、Metacriticのように複数のスコアで平均を出した場合はもっと訳がわからなくなる。「Aさんは「7点」と評価し、Bさんは「9点」と評価しました。よってこのゲームは「8点」です。」

え???誰も「8点」なんて付けてなくない?

 

面白いのが、弊紙でも絶賛するvideogamedunkeyのレビュー、dunkviewだ。

www.youtube.com彼いわく、PS4版『MARVEL SPIDER-MAN』は、移動が楽しく、戦闘も面白く、本当にスパイダーマンのようになれるが、Bonesaw McGrawやBig Wheelが登場しないので、5点満点中0点らしい。

これはdunkeyらしい痛烈なアイロニーだとは思うが、実際この方が余程誠実だ。100点満点にしろ、10点満点にしろ、結局その数字はどっから来たんだよと疑問を呈されるぐらいなら、彼のようにスタンスを明確にしている個人の方が余程納得できる。

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No Bonesaw? No Big Wheel? Gotta give a 0 out of 5. shit game.

 

欠点②:読者が想像する面白さを奪ってしまう

読者から頂いたこのご意見を読んでハッとしたのだが、あらゆるテキストがそうであるように、文章は読んだ後に想像するのが楽しいのに、スコアはその魅力を削ってしまうかもしれない。

つまるところ、文章を読んだ人間の大半が「明らかに批判的だなぁ」「ハマってるなぁ」と想像できる内容でも、結局そこ止まりである。断言は出来ない。結局この筆者の奥底、確信に至る結論は「読者の想像にお任せしたい」ということになる。

だからこそ面白い。そも、あらゆる作家がそう言うように、文章の面白さとは「書いた記述」でなく「書かなかった記述」にある。『フランケンシュタイン』は具体的な容姿が描写されないから怖いのだ。

 

レビューというのは、本質的に主観的なもの。「俺はこのゲームは神ゲーだと思うぜ」「クソゲーだと思うから買うなよ」最終的にはこういう結論になる。

だが、普通文章というのは客観性が求められる。読者は意見を押し付けられたくないからだ。だから、あくまで自分自身の文法、フォーマットを持つから許される点はある。

ゲーマー日日新聞では、基本的に常体(である調)であり、多くの部分で断言を行う。こういった、少なからず日本語の文章には癖というか個性がある。その癖こそが、他ならぬフォーマットであり、これは公衆の意見でなく、J1N1個人の意見なのだと納得させる。

一方で、ここに8点とか3点とか数字を導入すると、どうなるだろうか。そこにはフォーマットという「くびき」がない。インド数字は誰もが理解しうる、最高に普遍的な文法だ。その状態で「3点」と言われれば、いくらJ1N1個人の意見だと前置きされても、少しイラッとくる人もいるだろう。

 

そもそも、ゲームレビューとは「このゲームは◯◯である!」と研究成果を発表する論文ではない。要は読者が読んでて楽しいかどうかだ。

 

欠点③:偉大な先人たちの功績

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週刊ファミ通 9/5号

 

【コメ付き】ゲーム界隈井戸端会議 大忘年会 2017 - YouTube

*2

 

書き手側の考えとして

正直、私もまぁスコアには芳しい反応は得られないだろうとは思っていた。特にゲームレビュー、特に日本なら、悪用されてきただけに批判も大きいだろう。

だがあえてアンケートをしたのは、無論「スコアつけたいな」と思う気持ちがあったからなわけで。書き手としては正直、結構面白そうだなと思わなくもないのだ。

 

先程の欠点と似た論点だが、好意的に解釈するなら、スコアはとても直截でわかりやすい。それに数字があるということは、それだけ理論を組み立てる上でもやりやすくなる。

何より文章に勢いが生まれる。明確なクライマックスが存在するわけだからね。そもそもファ◯通クロスレビューなんかも、あれ点数なかったら何も伝わらないでしょう。文章量的に。

ただ今回のアンケートに寄せられた意見や、自分の中でもあえてスコアを採用する必然性もなかったので、当分の間、スコアは見送らせていただきます!

 

・・・

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この際だから最近やったゲームのスコアをぶっちゃけとくぜ!!babyyyyyyyyy

 

Spider-Man 8/10

Forza Horizon 4 8/10

Darkest Dungeon 7/10

Graveyard Keeper 3/10

Assasin's Creed: Odyssey 2/10

 

じゃあな!!!(減点法ではありません。平均を5点とした場合のスコア。)

*1:一応IGNにはガイドラインが設定されて、その上でスコアが決められているんだが、複数のライターで相当認識にずれがある上に本国の翻訳レビューまで混ざるからもうメチャクチャだよ

*2:十中八九忖度だろうなとは皆思ってたけど、仮にもメディア側が「松山さんの愛を汲み取って、10にしちゃおう」という話は割と真面目に、メディアって何だろう読者って何だろうと思う